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あの人のカラダマネジメント術

向井理さん 医療用AIを開発した医師を演じて感じた大事なこと

「連続ドラマW パンドラIV AI戦争」主演インタビュー

 高島三幸=ライター

 でも、正義感から生まれた良かれと思う故のその信念は、パンドラの箱を開けることにもなりかねません。極端な例を言えば、AIが発達することによって、胎児の時に寿命が分かってしまうケースも起こり得るかもしれない。

 もし、「あなたの子供はあと5年の命です」とAIに診断されたら、親としてどうしたらいいんだろうと思いますね。5年間、寿命を知らずに生きていくのと、「残り5年か…」と思って生きていくのとでは、生き方が180度変わるはずです。人の命に関わることなので利便性を追求するのは大事ですし、考え方は人それぞれですが、それでも、果たして僕らはあと5年の命というその事実を知る必要があるのかなと思うのです。

 先日、ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を利用し、卵子のもとになる卵原細胞を培養だけでつくることを京都大学が世界で初めて成功したというニュースを見ましたが、これはもう神の領域で、これこそパンドラの箱を開けたなと思いましたね。もちろん、クローン人間はつくらないという前提はありますが、将来的には卵子が人の手でつくられるかもしれない。そうすると倫理的な議論が起こるように思います。

 また、終末医療では、医療の技術が発達すればするほど寿命も延びます。すると、チューブにつながれた状態で生き続けることが、果たして人としての幸せなのかという議論もあると思うんですよね。

 AIや医療に限らず、どの技術も進歩によって様々な弊害が生じます。例えば工場が機械化されて職人の数が減らされるなど、利便性を追求し過ぎると多くの人が職を失うなんて、何のための技術やテクノロジーの発展なのかも分からなくなる。そんないろいろな側面から考えてみると、テクノロジーの発展と人類の幸福は、すべてが比例するわけではないと感じます。

ストレスと距離を置くことがベストパフォーマンスにつながる

先ほど、人間は気分の浮き沈みなどでパフォーマンスが変わってしまうというお話がありましたが、向井さん自身、日々の演技でベストパフォーマンスを発揮するために、体調管理などで心がけていることは?

向井 ストレスをためないことですね。AIとは正反対でアナログな話になりますが、「病は気から」というように、万病のもとはストレスだと思うんです。だから、いかにしてストレスと距離を置くかということを最も大事にしています。

具体的には?

向井 僕は食べることが好きなので、なるべく体にいいものやおいしいものを食べて、好きなお酒も毎晩飲んで、素直に「おいしかったね」と言える時間や環境を大事にしています。それが一番のストレス発散であり、新たな気持ちで翌日の仕事に向かえる要因になっていると思います。

 健康になろうとしてランニングしたり、タバコをやめたり、お酒を控えたりすることはもちろん大事ですが、「それをしなきゃいけない」という強迫観念によるストレスがかかるほうが、僕にはつらいです。

 俳優は体が資本の仕事でもあるので、体の可動域を狭めないようストレッチは心がけていますが、無理して運動はしていないですね。適度な運動はいいと思いますが、極端なことを言えば、激しい運動をして呼吸をすればするほど、老化の原因になる活性酸素が蓄積されるかもと思ってしまうと、運動のしすぎもあまり良くないんじゃないかなと思いますし。

 ただ、医療や健康法は一人ひとりの捉え方次第で、いいか悪いかは一概に言えないように思います。僕自身、いま大きなケガもなく、健康だからこそ言える余裕があるからかもしれませんが、特に健康法に関しては、身の丈に合った、無理なく続けられる、そして、自分が納得するものを探せばいいのではないかとも思います。

(カメラマン 村田わかな、ヘアメイク 晋一朗〔IKEDAYA TOKYO〕、スタイリスト 外山由香里)

「連続ドラマW パンドラIV AI戦争」

(C)2018 WOWOW INC.

11月11日(日) WOWOWプライムにて放送スタート
毎週日曜よる10時~(全6話) 第1話無料放送

脚本:井上由美子
監督:河毛俊作、村上正典
出演:向井理、黒木瞳、美村里江、三浦貴大、山本耕史、原田泰造、渡部篤郎ほか

【ストーリー】
IT(情報技術)企業が経営するメディノックス医療センターでは、医師の鈴木哲郎(向井理)が開発したAIによる患者の診断が行われていた。人間の医師が行うよりも短時間で正確に、しかも無料で行うAI診断は世間で評判を呼ぶ。しかし、医師の中には「時期尚早」と難色を示したり、AI診断に従って手術を行うことを不快に思う者もいた。そんな中、AI診断に基づいて医師が手術した患者が、術後に容体が急変して亡くなってしまう。


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