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あの人のカラダマネジメント術

野人・岡野さん 重圧をはねのけ「ジョホールバルの歓喜」をつかむ

元サッカー日本代表・現ガイナーレ鳥取代表取締役GMに聞く(2)

 高島三幸=ライター

 その年の天皇杯関東大会初戦で、強豪の筑波大学と当たりました。当時の筑波には、藤田俊哉選手などその後、日本代表で活躍するそうそうたるメンバーがそろっていました。そんな、大学では「向かうところ敵なし」のチームを相手に、僕は持ち前のスピードを生かして何と2ゴールを決め、2対1でまさかの勝利をおさめてしまったのです。残念ながら2回戦で敗退しましたが、筑波戦での僕のプレーを見てくれた6チームものJリーグのスカウトから声がかかりました。

 相手が強豪だからこそ、挑戦者として開き直り、思い切ったプレーができたことが得点につながったのかもしれませんが、Jリーグに入れたのは、「足の速さ」という強みを意識してとことん追求していった結果だと思っています。

スカウトされてそのままJリーガーに?

 本当にうれしかったんです。サッカー部がない高校に入り、大学のサッカー部でも洗濯係だった僕に、初めて「サッカーをやってほしい」というお誘いが来た。断ればバチが当たるぐらいに思いました。

 関東にある3つのJチームの練習に参加させてもらい、結局、大学を中退して「浦和レッドダイヤモンズ(浦和レッズ)」に入団することを決めました。当時は先輩に福田正博さんがいて、彼を目標に頑張ろうと思いました。

プロ1年目にして、日本代表に

 その後、トップチーム(一軍)とサテライトチーム(二軍)を行き来しながら、少しずつトップチームでの出場時間を伸ばしていきました。でも、当時の浦和は負けてばかりの弱いチームでした。あまりにも弱くて、1年でクビになるかもと開き直ったぐらいです。それが良かったのか、Jリーグ開幕から5連敗をしたところでスタメン出場のチャンスが来て、その試合でゴールを決めて勝つことができたんです。そのままトップチームのレギュラーの座をつかみました。そしてプロ1年目にして、僕は初の日本代表に選ばれたのです。

 三浦知良さんやラモス瑠偉さん、北澤豪さんなど、僕から見れば憧れの人ばかり。22歳の僕は合宿所でも食事が喉を通らないぐらい緊張していました。代表チームでは、憧れだったカズさんをロールモデルにし、目指すことにしました(笑)。

「ジョホールバルの歓喜」の舞台裏

97年、98年のワールドカップ出場を懸けた予選でも、日本代表に選ばれました。

 僕は自分をストライカーではなく、チャンスメーカーだと思いながらプレーをアピールしていたのですが、監督は起用してくれず、出場するチャンスはなかなか巡ってきませんでした。

 そんななか、勝ち点が取れず首位韓国との勝ち点差が7に開き、残り4試合を残して加茂周代表監督が更迭されるという事態に陥ります。岡田武史コーチが監督になりますが、出場経験のない日本がワールドカップ開催国になるという最悪のシナリオも脳裏に浮上し、緊張と重圧と腹立たしさ、そして疲労で、レギュラーメンバーは次第に口数が少なくなり、ピリピリした雰囲気が漂っていました。

 ただ僕だけは元気でした。監督が使ってくれないので(笑)。頑張ってみんなを笑わせようとしましたが、出場できないフラストレーションはたまっていきました。そこである日、起用されない理由を岡田監督に聞きに行きました。その答えは「お前は秘密兵器だ」。真剣な顔で言われたので、単純な僕は納得して部屋に帰りました。

 その後も秘密兵器が使われることなく、やきもきしながらふてくされていた僕でしたが、97年11月16日、出場枠を懸けたイラン代表との一戦で運命の時を迎えるわけです。

イランに勝たないとワールドカップに出場できない運命の試合でした。

 それはイランも同じで、彼らも必死だったと思います。後半を終えても2対2の同点のまま、点が欲しいのに入らない一進一退の攻防が続きました。そんな状態で最後の交代要員として、攻撃の選手である僕が指名される可能性が出てきました。「ドーハの悲劇」をほうふつさせるような何とも言えない嫌な雰囲気が漂い、周りもざわざわし始めた時です。

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