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あの人のカラダマネジメント術

元サッカー日本代表・「野人」岡野雅行さん 高校からの逆境人生

元サッカー日本代表・現ガイナーレ鳥取代表取締役GMに聞く(1)

 高島三幸=ライター

 当時の母校は、とにかく校則が厳しく、門限が夕方の全寮制。全国から不良少年たちを集めてスパルタ教育を施す男塾を描いた漫画のモデルになったともいわれる学校でした。そんな学校のサッカー部ですから、部員は、寮から少しでも出られる時間があるという理由で入部した、「けんかだったら東大クラス」のやんちゃな生徒ばかりでした。

 監督ももちろんいなかったので、経験者の僕が1年生ながら、小中学生の頃にやってきた練習法を先輩たちに教えて、コーチ代わりになりました。3年生の先輩に教えるなんて特に怖かったですが、1年生の僕が一生懸命教える姿に、「俺らも手伝ってやるか」という気持ちで話を聞いてくれたのだと思います。

当初は試合をまともにできないこともあったが……

 サッカー経験のない生徒の集まりでしたが、けんかが強いタイプが多いので、運動神経にたけた生徒が多く、メキメキと力をつけていきました。でもいかんせん、けんかっ早いので、試合をすると相手チームとの小競り合いが始まり、試合を放り出してつかみかかったり、罵倒しあったりすることも多々ありました。試合で負けることよりも、試合もまともにできないありさまに悔しさが込み上げてきて、「こんなのサッカーじゃない!」と、僕はみんなの前で大声をあげて泣き、「こんな部、やめてやる」と寮に帰りました。

 その夜、寮の僕の部屋に、先輩たちが「申し訳ない」と謝りに来てくれました。この日を境に、サッカー部は生まれ変わり、先輩たちは練習以外の時間も自主練をするなどして、チーム力は上がっていきました。

 それでも練習試合では、最初は20点以上の差をつけられての大敗が続きました。でも、練習と試合を重ねるうちに点差は10点になり、徐々に縮まって同点で試合を終えた時は、うれしくて部員みんなで大泣きしました。

 努力が実になって結果として見えると面白いものです。どんなきつい練習をしても、負けず嫌いで根性だけはある生徒たちなので、誰もリタイアしないんです(笑)。素直に練習にも取り組むので、コーチ役の僕も練習メニューを出しやすくなりました。

得意なプレーを磨く練習スタイルを選択

例えばどんな練習メニューを考えたんですか?

 学校の近くの崖の上でドリブルの練習をさせました。ボールが落ちたら崖の下に取りに行かなくてはいけない。崖を下りてまた上るのもトレーニングになります。選手たちは下に落としたくないから、必死にドリブルするのでうまくなるんです。僕自身一人っ子だったので、幼い頃からイメージを膨らませて一人遊びをすることが得意でした。だから、どうやったらゲーム感覚で必死になれて上達するトレーニングになるのか、アイデアを絞り出しながら、メニューを考えました。

 さらに勝つためにはどうすればいいかと必死に考え、僕は先輩たちのプレーを見ながらドリブルが上手な人にはドリブルばかりをやらせるなど、得意分野を伸ばす方法を選びました。苦手なプレーを無理にやらせても、プレーも気持ちもどんどんマイナスになることが多い。上達したとしても平均点ぐらいでしょうか。であれば、90点のプレーが1つでもあれば、それで100点を目指させる方が、よっぽどその選手の武器になる。チームスポーツですから、得意なプレーが生きるポジションに選手を配置しました。

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