小谷実可子さん 50歳を超えて心身がV字回復したと実感
元シンクロ五輪メダリストに聞く(1)
高島三幸=ライター
ショーには2015年末から毎年出ています。1年目は何とか1曲泳ぎきった…という感じだったのが、このトレーニングのおかげで、2年目は技術のレベルを上げた演技を披露することができました。今はどんな技でもこなせ、若手に負けないぐらい体が動く状態になってきたので、とても楽しいです。技術も柔軟性も体力も「私、ここまで動けるようになったんだ」という成長や、手応えを感じるのは本当にうれしく、生きがいに感じています。
おっくうがらず、すぐ動く体質に

こうした生活を3年続けて分かったことがあります。ショーに出る以前の楽しく汗をかく程度のトレーニングはストレス解消にはなりますが、今の追い込むトレーニングの方が、私には合うということ。つまり、体調が明らかに良くなり、身も心もハツラツとし出したのです。例えば、年齢を重ねるうちに、何か一つの行動を取るだけでもおっくうになったり、なるべくラクをして解決したいと思っていたりしたのですが、すぐにササッと動いて済ませられるようになりました。気力が高まった気がします。
恐らくショーに出るという目標があったから、きついトレーニングを続けられているのかもしれません。皆で励まし合いながら、トレーニングメニューを乗り切るやり方が、私には合っていたのだとも思います。現役時代は人に合わせて行動するのが苦手でしたが、五輪の招致活動などで、チームで必死に招致を勝ち取った経験を経て、皆で頑張るトレーニングスタイルを楽しく思えるようになったのだと思います。
いずれにしても、こんなに心身ともに健康になれるとは、本当にびっくりしています。体が思い通りに動くので、50歳を超えて心身がV字回復してきたなという感じです。
(次回に続く)
(カメラマン 鈴木愛子、ヘアメイク 住本由香)
【元シンクロ五輪メダリストに聞く】
第1回 小谷実可子さん 50歳を超えて心身がV字回復したと実感第2回 小谷実可子さん 快眠のために毎晩欠かさず5分間ストレッチ
第3回 小谷実可子さん 20歳で悟ったストレス回避の思考法
