日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

日経 Gooday

ホーム  > からだケア  > あの人のカラダマネジメント術  > 室伏広治さん 寝る前の「猫伸びストレッチ」でぐっすり  > 3ページ
印刷

あの人のカラダマネジメント術

室伏広治さん 寝る前の「猫伸びストレッチ」でぐっすり

元ハンマー投げ選手の室伏広治さんに聞く(2)

 高島三幸=ライター

 皆さんも、ランチ後に時間が取れるようであれば、10~15分ほど昼寝をしたり、先程の“伸び”を行って十分に心身を緩ませた後に、数分でも目をつぶってリラックスしたりしてはどうでしょうか。リフレッシュできて、午後からの仕事に集中力を欠くことなく、取り組めるように思います。

自分で生み出した「ハンマロビクス」

 運動の面でいえば、軽いジョギングや自重を用いたスクワットなど、軽めの運動を習慣化し、リフレッシュすることは大切だと思います。デスクワークが続くのであれば1時間に1度は立ち上がって歩いたり、体を伸ばしたりして、血流を良くすることが大事でしょう。

 私自身の運動の話をすると、現役時代の終盤は、ケガせず自分の肉体や年齢の限界を超えていくことを意識していました。そのために重要視していたのは、いわゆる筋トレメニューによくある、バーベルの上げ下げや、スクワットの繰り返しといった「同じ動きを繰り返す反復トレーニング」ではなく、「広い範囲の感覚を働かせるトレーニング」でした。

 例えば、スクワットのような姿勢を保持したまま、バーベルの両端にワイヤー付きのハンマーをぶら下げたものを持ち、左右のハンマーをリズムよく揺らします。これは、物体(ハンマー)の動きの変化を感知し適応しながら物体を動かすことと、それによって姿勢を崩すことなく体を制御してコントロールすること、という2つのことを同時に行う、より高度なトレーニング方法です。

 重りが振り子運動で揺れるときに生じる“不規則な動き”に適応しようとするとき、人間はあらゆる感覚器や神経回路を使おうとします。ただ単にバーベルの重さに重点を置いたり、反復回数によって追い込んだりするトレーニングとは違い、このようなトレーニングではその瞬間瞬間の状況を、即興で判断しなければならない環境下に置かれます。そのため潜在的な力を引き出し、あらゆる感覚を鍛え、集中力を高めることもできるのではないかと、研究を重ねています。

 私はこうしたトレーニングを「ハンマロビクス」と名付けました。誰も取り組んでいない方法を自ら編み出して実行することから、飽きることなく、ワクワクしながら能動的に取り組むことができました。自身に合うトレーニング方法を編み出す楽しさは、長く競技を続けるための力となりました。

 次回は、私が考案した「ハンマロビクス」を、皆さんが身近な環境で行えるようにアレンジしたエクササイズを、いくつかご紹介したいと思います。

(第3回に続く)

(写真 鈴木愛子)

室伏広治(むろふし こうじ)さん
室伏広治(むろふし こうじ)さん 元男子ハンマー投げ選手。1974年生まれ。現役中の2008年に中京大学大学院修了後、博士号(体育学)取得。中京大学准教授を経て、2014年東京医科歯科大学教授。2001年世界陸上エドモントン大会で銀メダル、2004年アテネ五輪で金メダル、2011年世界陸上テグ大会で金メダル、ロンドン五輪では銅メダルを獲得。4大会連続で五輪に出場。日本陸上競技選手権大会20連覇。自己最高記録は2003年6月プラハ国際で記録した84m86(アジア記録、世界歴代4位)。著書に『ゾーンの入り方』(集英社新書)など。

先頭へ

前へ

3/3 page

RELATED ARTICLES関連する記事

からだケアカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 健康寿命を左右する「全粒穀物と食物繊維」の摂取方法

    今、世界的に「全粒穀物」の健康効果が注目されている。全粒穀物の摂取が増えるほど、がん、心血管疾患、総死亡率が低くなるという研究報告も出ている。その健康効果の中核となっているのが「食物繊維」だ。食物繊維が体にいいことはよく知られているが、主に便通などに影響するものと軽視されがち。だが、食物繊維不足は生活習慣病と密接な関係がある。本特集では、主食の選択が及ぼす健康効果から、注目の大麦の健康効果、穀物以外の食物繊維のとり方までを一挙に紹介する。

  • 「胃がん」撃退のため知っておきたい最新情報

    これまで多くの人の命を奪い、「死の病」であった胃がんが、「ピロリ菌」除菌の登場によって未然に防ぐことができる病気になってきた。また、万が一胃がんになってしまった場合も、胃カメラによる検診を定期的に受けていれば、超早期の段階で見つけて治療し、胃の機能をほとんど損ねることなく日常生活に戻ることができる。本特集では、近年死亡率が大きく減少している胃がんの最新事情をまとめる。

  • 寝ても取れない疲れを取るには?

    「疲労大国」といわれる日本。「頑張って仕事をすれば、ある程度疲れるのは当たり前」「休む間もないほど忙しいが、やりがいがあるから、さほど疲れは感じない」などと思っている人も多いかもしれない。だが、睡眠時間を削るような働き方を続けていると、知らぬうちに疲れはたまる。結果、「寝てもなかなか疲れがとれない」という状態に陥るばかりか、免疫力の低下や、生活習慣病の発症につながることは多くの研究で知られている。疲労の正体から、疲労回復の実践的な方法までをまとめた。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Goodayマイドクター申し込み

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2018 Nikkei Inc. All rights reserved.