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あの人のカラダマネジメント術

水泳・入江陵介選手 どん底で助けられた北島先輩からの言葉

五輪競泳メダリストに聞く(2)

 高島三幸=ライター

東京でどんな泳ぎを見せてくれるのか、楽しみだ

どん底に落ちたときに北島康介選手からもらった言葉

2016年のリオデジャネイロ五輪を控えた前年も、フォームが崩れてなかなか修正できず、結果が出ない状態が苦しかったと著書に書かれています。

 あのときの不振も、ネガティブな感情を引き起こしました。後から、陸上トレーニングを増やしてフォームのバランスを崩したことが原因だったと分かるのですが、当時は原因も分からなかった。五輪が翌年に迫り、金メダルを期待される中、現実とのギャップがつらく、不安でいっぱいでした。さらに、焦りからかコーチとの関係も悪くなり、練習にも身が入らなくなった。それでも、自分なりに厳しい練習を積んでリオデジャネイロ五輪に挑みましたが、蓋を開けてみると、100m7位、200m8位という、メダルにはまったく届かない結果でした。

 アスリートとして脂がのった26歳で挑んだリオ五輪は、自分の中でも大きな区切りだと思っていたので、惜しくもない惨敗をし、もう「金メダルを取りたい」なんて簡単には言えないと思いました。レース後のインタビューでも話しましたが、自分は賞味期限が切れた人間なのかなと思うぐらい打ちひしがれ、水泳を辞めたい気持ちは強くなりましたね。ロンドン五輪で銀メダルを取ったときと同じぐらい、このときの気持ちを今も忘れることはできません。

自分が目指す結果が出せない、スランプから抜け出せないといった八方塞がりになったときは、どうしたのでしょうか。

 僕の場合、先輩たちの言葉や存在に何度も救われました。例えば、平泳ぎの世界王者だった北島康介さんや、ロンドン五輪のキャプテンだった松田丈志さんはチームをすごく大切にする選手で、僕の調子が良くないときには声をかけてくださいました。個人種目がふがいない成績でも、すぐにメドレーリレーを泳がなければいけません。そんなときも先輩たちの声がけに助けられ、前を向くきっかけをもらって、何とか泳ぎきることができました。

 先ほどお話ししたロンドン五輪後の燃え尽き症候群だったときも、お二人に相談し、「1年間ゆっくり休む気持ちでやればいい」とアドバイスをもらったことを覚えています。13年のバルセロナの世界選手権でメダルが取れず、ツイッターで「自分が弱いのがつらい」とつぶやいたときも、北島さんから「弱いからつらいんじゃなくて、強いからつらいんだ」という返信をもらいました。僕以上に大きなプレッシャーと戦ってきた北島さんの言葉に、涙が止まらず、救われた気持ちになりました。努力してもうまくいかないときは、先輩やさまざまな経験を積んだ人の話を聞くと、悩みが和らぐと思います。

第3回に続く)

(インタビュー写真 厚地健太郎)

◆五輪競泳メダリストに聞く

第1回

水泳・入江陵介選手 すさまじいプレッシャーの中で結果を出す力

第2回

水泳・入江陵介選手 どん底で助けられた北島先輩からの言葉

第3回

水泳・入江陵介選手 米国で目の当たりにした「本番に強い」の秘密

入江陵介(いりえ りょうすけ)さん
競泳選手
入江陵介(いりえ りょうすけ)さん 1990年大阪府生まれ。0歳から水泳を始める。2008年北京五輪で200m背泳ぎ5位入賞。09年背泳ぎ100m、200mで日本記録を樹立。12年近畿大学卒業の年に、ロンドン五輪で背泳ぎ200mと4×100mメドレーリレーで銀メダル、背泳ぎ100mで銅メダルを獲得。16年リオデジャネイロ五輪で100m7位、200m8位入賞。東京五輪代表に内定し、競泳チームの主将を務める。イトマン東進所属。著書に『それでも、僕は泳ぎ続ける。~心を腐らせない54の習慣~』(KADOKAWA)。

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