プロトレーナーが実践! 食べ過ぎたら「12時間プチ断食」
人気トレーナー・木場克己さんのカラダメンテ術(4)
松尾直俊=ライター
そのほか私自身が食生活で気を付けているのは、炭水化物(糖質)と脂質をとり過ぎないことです。もっとも、糖質は体に必要なエネルギー源なので、ある程度は食べる必要がある。ですから、炭水化物は1日1食だけ、昼か夜に食べるようにしています。脂質のほうは、とり過ぎるとやっぱり内臓が疲れます。朝起きて体調が悪い日は、だいたい前日に脂物を食べ過ぎていますから、そういったことを避けるためにも、なるべく脂物はとり過ぎないよう調整しています。
食事タイムは「心の栄養補給」タイム
食事は、私にとっては体の栄養補給のほかにも大切な要素があります。それは「人とのコミュニケーション」、つまり心の栄養補給です。人と話して刺激をもらうのは、脳を活性化させるという意味で、健康維持に欠かせない要素だと思います。そんなこともあり、基本的に週に半分は人と会って食事をし、仕事のアイデアやヒント、新しい考え方に触れるようにしています。ただ、そうすると経費もかさむので、会社からは「社長、ちょっと経費を使い過ぎています」と言われるんですけどね(笑)。

あと、うちは社員たちがみんな若いのですが、彼らや、指導する若い現役選手たちと話をする、意見を聞くといったことも刺激になります。「そんなことを考えていたのか」「僕にないアイデアやものの見方だな」と思うこともしばしばありますね。いろいろな世代の人や、自分とは違う社会経験のある人と交流することが、若さを保つ秘訣というか、健康を保つことにつながっていると思います。
そうした交流を通じて得たアイデアやヒントから、新しい仕事をつくり出していくのが、とにかく楽しくて仕方ないですね。実は私はこれといった趣味がなくて、聞かれたときには「仕事が趣味です」と答えるんです(笑)。これは別に格好をつけているわけではなくて、自分が思って始めたことが成果につながる、成果といってもお金ではなくて、ほかの人から評価されることが楽しいのです。
私自身はプロトレーナーを名乗っていますが、プロとしての評価の軸は、お金ではなく影響力、つまり、たくさんのお金を稼ぐのがプロではなく、いろいろな人に、職業として、人として、影響力があることがプロだと考えています。これは選手も指導者も同じで、いくら報酬が多くても、影響力がないとプロとはいえません。逆に、報酬が少なくても影響力があり、その人の言葉通りに人が動く、そんな人がプロといえるのではないでしょうか。私も、自分自身を磨き続け、トレーナーとして影響力のある存在でありたいと常に思っています。
今はFC東京U-18の久保建英選手や水泳の池江璃花子選手といった、次の東京オリンピック世代の若手選手も見させてもらっています。2020年、私は57歳になりますが、まだまだ、求められる限りはプロトレーナーとしての仕事を続けていきますよ。
人気トレーナー・木場克己さんのカラダメンテ術
第1回 腹を凹ますだけ! プロ直伝、太りにくい体になる体幹トレーニング第2回 正しい姿勢で「ドローイン」それだけで体幹は鍛えられる
第3回 筋力維持に! 30過ぎたら習慣化したい1日1回「片足立ち」
第4回 プロトレーナーが実践! 食べ過ぎたら「12時間プチ断食」
鍼灸師、柔道整復師、日本体育協会公認アスレティックトレーナー

