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あの人のカラダマネジメント術

疲れ知らずの人が実践する「スキマトレーニング」と「ながらストレッチ」

プロトレイルランナー鏑木毅選手の健康マネジメント術(1)

 高島三幸=ライター

愛用しているコンディショニングウエア「Re-Pose」

 そんな中で疲労回復のために手放せなくなったのが、私のスポンサーでもあるゴールドウインのC3fit「Re-Pose」というコンディショニングウエアです。体温が1℃下がるだけで免疫力は低下し、体の疲れが残りやすくなるといわれています。このウエアは着る人自身の体温により自然な温かさを維持できる「光電子」という高機能素材を使用しているのですが、冬は温かく、夏は涼しいんです。私が今日アンダーウエアとして着ているのは長袖なので、日本の夏に着るには少し暑いですが…。

 何よりも、疲労が回復に向かっていることを実感できています。普段の生活でもこのシリーズのシャツを着ていますし、家にいるときは必ずこのスウェットパンツをはいていて、今では国内外どこに行くときも手放せないお守りのような存在です。何もしていない時間でも体が回復に向かっていると思っただけでもうれしくて、気持ちを前向きにさせてくれるアイテムでもありますね。

 そのほかにも、自動車や新幹線、飛行機などに乗って長時間同じ姿勢でいるときは、マグネットがついた腰ベルトを巻くことで、血流を良くして腰の疲労を防ぐなど、様々なアイテムを活用しています。

「司馬遼太郎」でぐっすり眠る

 そんな疲労回復のための大事な要素の一つは、やはり「睡眠」です。睡眠不足は、体力はもちろん、モチベーションも下げます。「よし、今日も1日がんばるぞ!」と思えるような快適な目覚めでないと、その日のパフォーマンスに負の影響があるはず。前向きなエネルギーがないと、単純作業はできても、創造的な作業はできにくくなります。これは良質なトレーニングを行うためにマイナスの効果ですし、ビジネスパーソンなら仕事の質にも大きく影響を与えるでしょう。

著書『日常をポジティブに変える 究極の持久力』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

 普段の睡眠時間は8時間で、途中で起きることなく、ほぼぐっすり眠ることができます。同年代の人に「よくそんなに眠れますね」と言われるたびに、自分でも若いな~と思いますが(笑)、そのために心がけているポイントがあります。

 それは、「寝入りをしっかりコントロールする」ことです。就寝1時間半ぐらい前からパソコンやスマートフォンの画面を見ないようにしています。デジタルから遠ざかる時間を設けることで、ブルーライトや「メールを返信しなくては!」といった意識による覚醒作用をなくし、心を落ち着かせてスムーズに入眠できるのです。

 さらに寝入りをよくするために、私は自分の好きな歴史小説を利用しています。特に大好きな司馬遼太郎さんの本を読むと気持ちが落ち着くのか、3ページぐらいでいつの間にかすっと寝ているんです。私の場合は、司馬さんの小説を読むと、寝つきがいいうえに悪い夢を見ません。

 ただそこにはポイントがあって、必ず1回以上読んで、ストーリーが分かっている小説しか読みません。読んだことのない小説だと興奮したり、続きが気になったりして目が覚めてしまいますから。

 司馬遼太郎さんの本は国内外の遠征にも持っていく必須アイテムで、なくしても困らないように、古本を扱う店で同じ本を3~4セット購入して家に常備しています(笑)。

 体力の回復には睡眠は欠かせませんから、電車やバス、飛行機といった移動時間でも、ぐっすり眠れるアイテムがあるのは、自分の強みです。また、歴史小説は、時に励まされたり、戦略を立てる時に学べることがあったりするので一石二鳥です。

(インタビュー写真 厚地健太郎)

鏑木毅(かぶらき つよし)さん
鏑木毅(かぶらき つよし)さん 1968年群馬県出身。早稲田大学競走部で箱根駅伝を目指すも故障で断念。群馬県庁に就職し、28歳でトレイルランニングに出合い、40歳でプロ選手に。2009年世界最高峰レース「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン」(UTMB)で3位。同年全米最高峰レース「ウエスタンステイツ100マイルズ」で2位。2019年50歳で再びUTMBに挑戦すると表明。新著に『日常をポジティブに変える 究極の持久力』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

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