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あの人のカラダマネジメント術

バレーボール柳田選手 ケガ防止「調子よいときこそ冷静に」

一流アスリートの自己管理術(3)

 高島三幸=ライター

どんなふうに振り返りをするのですか?

 ゲーム形式の練習を動画で撮影してもらって、iPadで毎日見返しています。例えば、疲労感がある日のプレーと、疲労感があまりない1週間前のプレーを比較して、動きやフォームが変わっていなければ、「この練習やケアのままでも大丈夫だ」という一つの判断材料になります。

 毎日振り返ると、調子がいいときの感覚や動きが自分でも分かってきて、それを基準に調子がいいか悪いのかを見極め、練習内容や量、体のケアにも反映するようにもしています。あくまでも感覚値ですが。

 また僕自身、挑戦してみたいプレーや動きがたくさんあって、「こう動いたつもりなのに動画を見返してみると、全然できていない」ということがよくあります。だからこそ、動画を見て振り返ることで、「次の試合までに完璧にできるようにしたい」「『できていない』を『できる』に変えたい」といったやる気にもつながります。

慢性的なケガを防ぐためには、どんなケアをされていますか?

 バレーボールはジャンプすることが多いので、足や膝の痛みや、ふくらはぎの疲労からくる足首の痛みが多くなります。そこで海外に渡る前から、「ドクターエア」のストレッチロールやコンディショニングボールなどを使っていて、マッサージや筋肉をほぐすことを習慣化し、慢性的な痛みが解消できている感覚があります。

 あと睡眠も大事で、当然ながらも夜更かしをせず、寝る前にあまりモノを食べないようにすると眠りが深くなり、朝もスッキリ目覚められます。睡眠時間や質しだいで翌日の疲労感が如実に変わるので、ケガ防止はもちろん、ベストパフォーマンスを発揮するためにも重視している点です。

孤独は味方になる

生活拠点を海外に移し、日本人がいない場所でプレーや生活することに、孤独感はなかったですか?

 ホームシックになる人もいるのでしょうが、僕は一人で過ごすのが平気なタイプで、寂しくて落ち込むこともありませんでした。ただ、ポーランドのリーグでプレーしたときは、ホームタウンにはアジア人がまったくいない状況で……。街を歩くと、珍しいモノを見るかのように見られたり、ポーランド語だからはっきり分からないものの、見ず知らずの人にちょっかいを出されたり。いつも薄暗いグレーの空の色も気持ちをどんよりさせ、うまく言えないけれど、「街の中には僕ひとりしか、自分のことを分かってくれる人がいない」という不思議な感覚に陥りました。気持ち的に少ししんどかったですね。

 それまで孤独は苦ではなく、むしろ味方だと思っていたんです。自分を見つめ直す時間になるし、自由に行きたいところに行きやすい。海外で一人で過ごしたときの方がフットワークが軽くなって、3日間ぐらい休みがあれば飛行機に乗って、隣国で1泊して軽く観光するなんてこともよくしました。

 でも、日本人どころかアジア人も見かけないポーランドでは、孤独が味方にならないときもあるんだなという気持ちになりました。シーズン中は試合に集中できるのでいいですが、シーズンオフは一人で過ごす時間をどう使おうかと。

やることがない、話す相手がいないとき、どうされていたのですか?

 家の外はマンションやスーパーしかない町だったので、もっぱらインドア生活でした。インターネットにつなげられるテレビを持って行ったので、テレビやパソコンでネットサーフィンしていました。

 ちなみに、新型コロナウイルスが拡大し始めた2020年の3月ごろまでは、ドイツのフランクフルトにいたので、ネットサーフィンしながら独学で英語を勉強していました。それが一つの趣味になり、趣味は人生を豊かにし、日々を楽しくするんだと改めて気づきました。「これも知りたい、あれも知りたい」という探求心にもつながり、上達すれば話せるようになったり、Netflixの映画を英語で鑑賞したりするなど、楽しみが一気に広がりました。

 コロナ禍で環境が変わったり外出が制限されたり、自粛疲れでストレスがたまっている人は多いと思います。家で過ごす時間が増え、ネットでさまざまな可能性が生まれた今こそ、家でできる楽しみを一つでも増やすことがおすすめです。僕自身、英語の独学がとても楽しかったし、助けられたので。

それでも環境が変わると、心身ともに大きな影響を受けそうですが。

 そこまでマイナスの影響は受けなかったですね。途中から、生活リズムがほぼルーティン化していることが大きかったからかもしれません。海外に渡った直後は、どこに何が売っているかから探し始めて、自分がベストな状態で練習や生活できるようになるまで時間がかかりました。

 例えば、食事の面では「このタイミングでこれを食べれば、この練習までにはしっかりと消化できる」「この食物をこの程度の量を食べれば、練習中の動きがいい」「ポーランドはお米がないので、この麦を代替すればもちもちしていて十分ご飯代わりに!」などと分かるようになりました。

 薄切りの肉が売っていないので、分厚い肉を自分で薄く切って焼いて、海外でも売っているしょうゆや砂糖で味付けしていました。定期的に日本代表チームの栄養指導を受けていたので、ある程度、バランスのいい栄養を摂取できるように意識しながら自炊していました。そうして自分の生活リズムが整ってくると、ストレスをあまり感じなくなりましたね。

写真提供=ASICS
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