ストレスのもとからは、逃げるが勝ち
人気トレーナー・中野ジェームズ修一さんのカラダメンテ術(4)
中野ジェームズ修一
仕事と関係のない本を読むのもストレス回避の一つ
もう一つ、私がストレス回避のためにやっているのが、大好きな本を読むことです。本は作者と何時間も向かい合える場、だから好きなんです。例えば沢木耕太郎さんの本を読んでいると、こういう場では沢木さんはこう考えるんだなど、彼の頭の中がわかってくるような気がする。それが新しい発想のきっかけになり、ストレス解消にもなります。
実は、2000年前後、私がすごくストレスをため込んでいた時期は本の読み方が、今とは全く違っていました。当時は、「どうせなら自分の仕事に役立つものを」と思い、トレーニングや健康に関する専門書ばかり読んでいたんです。こうした本を読むと、その時はなるほどと思うことがあります。でも、振り返ってみると、その頃が一番体調が良くありませんでした。趣味であるはずが、仕事の延長になっていたんですね。
そんなとき精神科のお医者さんと出会って、「中野さん、ストレスをため込み過ぎですから、趣味を見つけましょう」と言われました。それで仕事に関する本をプライベートな時間に読むことをやめて、沢木耕太郎さんや村上春樹さんの本を読み始めたら、すごく楽しくなってきて、体調も良くなりました。
今は大体3冊を同時進行で読んでいます。朝はこれを読んで、昼間の移動時間にはこっちの本、仕事関係はこの時間にと、気分によって読み分けているんです。朝早く起きて、カフェで新聞を読むのも好きですね。
ビジネスマンの方々も、一日中仕事のことが頭から離れない人も多いようですが、何か一つ、その思考から「回避」できることを見つけると、ストレスに悩まされることがなくなると思います。
(ライター 松尾直俊/カメラマン 室川イサオ)
人気トレーナー・中野ジェームズ修一さんのカラダメンテ術
第1回 1日30品目は過去の話。人気トレーナーが実践する「14品目食事術」第2回 プロの体調管理術「どんな時も起床時刻は変えない 」
第3回 甘いもの食べたら走る!「目標を持った体調管理術」に学ぶ
第4回 ストレスのもとからは、逃げるが勝ち
フィジカルトレーナー/米国スポーツ医学会認定運動生理学士

