iPS細胞使う低コストの心臓移植、年内実現へ
他人由来のiPS細胞活用、細胞シートの開発コストを5分の1に
中能泉=フリー編集者・ライター
世界中の心不全を救える日も遠くない
心筋細胞は自ら拍動する細胞で、iPS細胞から心筋細胞になった途端に拍動を始めます。心筋細胞でできた心筋シートが培養皿の中でドクンドクンと規則正しく拍動する様は、神秘的かつ生命の力強さを感じさせます。その心筋細胞シートを心臓に貼りつけると、心臓の一部となって一緒に拍動し、心臓の収縮機能そのものを改善できる可能性があり、同時にサイトカインなどの修復物質が出て、弱った心臓の機能を回復させると期待されています。さらに最近の研究では、この心筋シートに心筋細胞を育てる働きもあると考えられています。