iPS細胞使う低コストの心臓移植、年内実現へ
他人由来のiPS細胞活用、細胞シートの開発コストを5分の1に
中能泉=フリー編集者・ライター
がん化を防ぐという最大の難関をクリア
細胞を培養させるだけの筋芽細胞シートに比べ、iPS細胞から心筋細胞をつくるのは非常に困難な作業で、「ヒトのiPS細胞から心筋細胞をつくるのに3年かかった」と澤教授は話します。心筋細胞シートをつくるには、数億個ものiPS細胞が必要で、iPS細胞を目的の細胞にするためには、細胞を分化させなくてはなりません。細胞は分化することで皮膚、血管、脳、心臓などの専門の器官の細胞になります。