“心筋シート”を使う心臓病治療が始まった!
人工心臓も心臓移植も必要なし
中能泉=フリー編集者・ライター
重度の心不全が改善し、人工心臓から解放された!
最初の臨床例は、1年前から拡張型心筋症で入院していた男性(当時56歳)で、人工心臓を装着する手術を行った後、心臓移植を待つことになった重症患者だった。筋芽細胞シートによる臨床研究では、患者は2度の手術を受ける。まず、太ももの筋肉を10g切り取る手術を行い、筋肉から筋芽細胞を取り出して通常は3~4週間培養して、筋芽細胞シートを数十枚作製。2回目の手術で筋芽細胞シートを患者の心臓に貼り付けて移植する。この患者の場合は、2カ月かけて細胞シートを培養し、細胞シートを貼り付ける手術に臨んだ。すると、3カ月後には心臓の機能の回復が認められ、その後、人工心臓を外すことができ、退院するに至った。9年経った現在でも元気だという。
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