“心筋シート”を使う心臓病治療が始まった!
人工心臓も心臓移植も必要なし
中能泉=フリー編集者・ライター
増える心不全患者、救う道はあるのか
心疾患は、欧米では死因第1位、日本でもがんに次いで死因第2位の病で、しかも平成26年度の心疾患の総患者数は172万9000人とがんに次いで多い(厚生労働省「平成27年患者調査の概況」)。「心不全で亡くなる人は年々増えている。重症の心不全患者には人工心臓か心臓移植しか選択肢がないが、日本では心臓移植はドナー不足でほとんど行われていない」と澤教授は話す。実際に、ここ数年の国内での心臓移植の数は年間でわずか50件前後だ。