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30~40代から身に付けたい健康習慣

「今年こそ運動を」という人に! 短時間の集中運動HIITトレーニング

東海大・川田医師が提案する30~40代で身に付けたい健康習慣(3)

 二村高史=フリーライター

有酸素運動と筋トレの効果が同時に得られる

 HIITはリオデジャネイロ五輪におけるニッポン柔道の復活を支えた最新の科学的トレーニング法の一つとして注目を集めている(関連記事「日本代表の身体能力を世界水準に高めた4分間運動術とは?」)。だが、そんなに難しく考えることはない。高強度の運動を何十秒か行い、1~2分休み、またきつい運動をする……といったことを何回か繰り返せばいい。

 「例えば、高強度の運動を20秒間続け、それを2分間隔で3回繰り返すといった感じです。若干負荷がかかっている自転車型トレーニングマシンを20秒間全力でこぐのを3回繰り返せば、普通に45分間マシンをこぎ続けたのと同じ運動効果が得られることが報告されています(*2)。具体的には、この研究では、HIITトレーニングによって、インシュリン感受性の向上(肥満や糖尿病の予防につながる)、最大酸素摂取量の増加(持久力の指標で、高めれば肥満、動脈硬化、生活習慣病などの予防につながる)、筋肉のミトコンドリア含有量の増加(エネルギー代謝がよくなる)が見られました」と川田教授は説明する。

 「最大酸素摂取量が増えるということは、それだけ、有酸素運動能力が高まっているということです。その分、体を動かしたときに、脂肪燃焼が促されます。ミトコンドリアはエネルギー産生の場なので、増えればその分、体のエネルギー産生が促されて、体脂肪燃焼につながります。負荷をかけて自転車をこぐことで、もちろん速筋も鍛えられ、筋肉量が増えれば、その分、ミトコンドリア数も増えてエネルギー産生が増し、さらに脂肪燃焼が促されます」(川田教授)

カナダMcMaster大学の研究:デスクワークに従事している27人の男性(27±8歳、BMI 26±6kg/m2)を、「激しいトレーニング」「通常のトレーニング」「トレーニングを行わない」という3つのグループに分けて、それぞれトレーニングを週3回実施し、12週間での変化を観察した。
カナダMcMaster大学の研究:デスクワークに従事している27人の男性(27±8歳、BMI 26±6kg/m2)を、「激しいトレーニング」「通常のトレーニング」「トレーニングを行わない」という3つのグループに分けて、それぞれトレーニングを週3回実施し、12週間での変化を観察した。
[画像のクリックで拡大表示]

 上のグラフで、「激しいトレーニング」は「自転車型トレーニングマシンを20秒間全力でこぐ運動を、2分の間隔で3回繰り返す」、「通常のトレーニング」は「自転車型トレーニングマシンを45分間、楽なペース(最大心拍数の70%以下)でこぎ続ける」というもの。

 「激しい」といっても、健康な30~40代ならば20秒間全力でこぐくらいなら何とかなるだろう。2分間隔で3回繰り返しても、5分で終わる。それだけで、長々と45分間こぐのと健康効果が変わりないのだから効率的だ。

 「何よりも重要なのは、HIITをすることで、有酸素運動と筋トレのどちらの効果も得られるということです。つまり、有酸素運動による体脂肪の燃焼、筋トレによる筋肉量の増大が同時に期待できるのです」と川田教授。

 忙しくて時間がない働き盛りのビジネスパーソンにはぴったりの運動といえよう。ただし、短時間にせよ、かなり強度の高い運動を行うので、血圧が高いなど健康に不安がある人はあらかじめ医師に相談してほしい。

 「自転車型トレーニングマシンを使えば、ペダルの負荷は簡単に設定できます。また、ある程度負荷がかかった状態で全力を出し切ることができればOKで、細かい負荷のレベルにこだわる必要はありませんし、もちろん自転車にこだわる必要もありません」と川田教授。

 川田教授自身、自宅にある自転車型トレーニングマシンを使って毎朝このトレーニングを行っている。それを始めてから、明らかに体が変わったことを実感したという。「例えば、以前よりも階段がずっと楽に上れるようになったのです。効果が体感できると、またやりたいという気持ちになるので、好循環が生まれますね」(川田教授)。

 「自転車型トレーニングマシンなんて値段が高いし、家が狭いから置く場所なんてない」と思う人もいるかもしれないが、今では1万円台で買える機種もあり、意外に場所もとらない、と川田教授。ウォーキングマシンは音が出るので近所迷惑になる恐れがあるが、自転車型マシンならばその心配もほとんどないのもメリットだ。まずは休みの日に近所のジムで試してみてはどうだろうか。

川田浩志(かわだ・ひろし)さん
東海大学医学部内科教授(血液腫瘍内科)、医学博士
川田浩志(かわだ・ひろし)さん 最先端の血液内科診療に日々従事しつつ、アンチエイジング・ドックの面談医も務めるなどアンチエイジング医学の普及にも力を入れている。自らがアンチエイジング実践派で、人生を楽しみ、健康的に生きることを信条としている。その生活指導には定評があり、講演依頼やTV・ラジオ・雑誌の取材も多い。受賞歴:東海大学総長賞(松前重義賞学術部門)など。著書:「医学データが教える 人生を楽しんでいる人は歳をとらない」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

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