将来“寝たきり”の分かれ目はココ! あなたの足腰力を5分でチェック
第2回 ポイントは「4つの筋肉」と「つまずき度」「平衡感覚」
塚越小枝子=フリーライター
いつまでも若々しく元気に動けるためには「足腰力」が大切。『一生歩ける!寝たきりにならないための「足腰力」』(双葉社)の著者で、理学療法士の野呂田秀夫さんのお話を基に「足腰力」を掘り下げる本特集。第1回(「このままでは“寝たきり一直線”!若いころの“貯筋”の期限はもう切れている」)に引き続き、第2回は、衰えを感じやすい足腰の大きな筋肉の状態をチェックして、弱っているところを集中的に鍛えてみよう。今ならまだ、失った筋肉は取り戻せる。
若いころの“貯筋”の期限はもう切れている
第2 回 将来“寝たきり”の分かれ目はココ!
あなたの足腰力を5分でチェック
第3 回 ジム通いも道具もいらない!
こうすれば足腰力はぐんぐんアップする
足腰力アップは正しい姿勢と歩き方から
元東京警察病院リハビリテーション科室長で理学療法士の野呂田秀夫さんによると、「足腰力」の衰えは、姿勢の悪さに表れるという。
「背中を丸めて下を見てトボトボと歩いていては、体幹や下肢の筋肉が使われず、“足腰力”は落ちるばかりです。姿勢が悪い人は足腰の衰えに要注意。40代、50代のうちは多少バランスを崩しても立て直せますが、このまま高齢になると転倒・骨折の危険性が大です」(野呂田さん)
足腰力アップのためにも、正しい姿勢で、正しいフォームで歩けることが大切。まずは姿勢をチェックしてみよう。
まずは自分の姿勢を簡単チェック!
壁を背にして、普段通りに「自然に」立つ。足は閉じてかかとは壁につける。
正しい姿勢
→ 後頭部が軽く壁に触れ、肩甲骨、ひじ、お尻も壁につく。背骨は自然なS字カーブを描いている。
猫背の場合
→ 背中が丸まって肩が前に出ているため、ひじや肩甲骨が壁につかない。
反り腰の場合
→ 肩甲骨は壁につくが、お腹が前に突き出しているためお尻が壁につかない。
いかがだろうか。壁を背にして自然に立った時、後頭部が軽く壁に触れ、かつ、肩甲骨、ひじ、お尻も壁につくという人は意外に少ないのではないか。「猫背や反り腰の人は、体幹、具体的には背骨を支える腹筋、背筋や大腰筋が衰えているために、姿勢を真っ直ぐに保てなくなっています。最近は、背すじを伸ばそうと胸を張るあまり、おなかが出て反り腰になってしまう人も多く見られます。若くても筋力不足で姿勢を保てない人が多いのにもかかわらず、学校などで正しい姿勢や歩行フォームを学ぶ機会がないのです。このままでは将来、寝たきり人口が爆発的に増えても不思議ではありません」(野呂田さん)。
体にあるさまざまな筋肉のなかでも、特に衰えやすく、鍛えておくべきだと野呂田さんがすすめるのが、姿勢維持に重要な「大腰筋」「腹筋」「背筋」に加え、太ももの前面にある「大腿四頭筋」の4つ。それらが総合的に関係する「つまずき度」と「平衡感覚」も、足腰力に直結する。自分の弱点はどこにあるのかは、以下に紹介する簡単なテストでチェックできる。全部やってみても5分程度だ。まずはだまされたと思って試してほしい。実際にやってみると、思いのほかできないことが多くて驚くだろう。
それぞれの弱点を補強する、簡単なトレーニングも野呂田さんに紹介してもらった。自分の弱点が分かったら、集中的に取り組んでみよう。
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