日経グッデイ

中野ジェームズ修一の「遠回りしない体メンテ術」

人気トレーナーが「24時間営業のジム」をお勧めするワケ

「運動の習慣化」で挫折しないために有効活用しよう!

 松尾直俊=フィットネスライター

体の健康を保ち、いつまでもパワフルに働くには、正しい運動と食事、そして休息のバランスが取れた生活が必要だ。そこで、著名なフィジカルトレーナーである中野ジェームズ修一さんに、遠回りしない、結果の出る健康術を紹介してもらおう。今回は、「運動の習慣化」で挫折しないために、「24時間営業のジム」などの活用方法について。

忙しい現代人が習慣的に運動を続けるハードルは意外と高い。(c)nd3000-123RF

なぜ、「週1回の有酸素運動」でも習慣化できないのか?

 前回、運動不足の人が内臓脂肪を落とす方法として、食事を見直したうえで、食べ過ぎたときに運動をするのが第1段階、そして、10~15分の筋トレを毎日行うのが第2段階だと解説した。

 フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんは「運動に慣れておらず、筋肉量が少ない人ほど、まず筋トレをしてほしいですね。筋肉量が増えれば、それだけ基礎代謝も上がり、普段からエネルギーを消費しやすい体質になります」と話す。

 運動に慣れていない人ほど、いきなり有酸素運動にチャレンジするのではなく、毎日わずかな時間でもいいので筋トレを続けるほうが、運動に向いた体に変わってくるというわけだ。

 毎日筋トレを続けていると、だんだんとお腹も凹んできて、駅の階段もラクラク上れるようになる。そうなると、次の段階としては、「週に1回でもいいので、有酸素運動を行う習慣を身につけることが大切です。有酸素運動を行えば、心肺機能が向上して疲れにくくなるだけでなく、内臓脂肪に加え皮下脂肪も落とせるようになります」(中野さん)

 とはいえ、有酸素運動を「習慣化する」のは、忙しい生活を送っている現代人にとって意外とハードルが高い。10~15分の筋トレを行うだけなら、家で時間があるときにパッとやればいいが、ジョギングやウォーキング、スイミングなどの有酸素運動は、着替えたりする準備や、場所の移動も必要だ。

 「そうですね、有酸素運動の習慣化は、指導している私たちフィジカルトレーナーにとっても最も悩む部分です。人それぞれに生活パターンがありますから、週末でも平日でも、自分にとって一番やりやすいタイミングで『何曜日の何時にやる』と決めてしまうのがいいと思います」(中野さん)

活用したい「24時間営業のジム」

 有酸素運動を習慣化しようとして挫折したパターンでよくあるのが、週末にジョギングやウォーキングをやると決めたものの、外出などの予定が入ったり、天気が悪かったり、気温が暑くなったり、逆に寒くなったりして運動できない週末が続き、次第に習慣そのものが定着できずにフェイドアウトしてしまう…というものだ。

運動を習慣化するために活用したいのが、最近増えている「24時間営業のジム」だ。写真はイメージ (c)imtmphoto-123RF

 「そこで有効活用したいのが、最近増えている、24時間営業の小さなジムです。天候や気温に左右されず、24時間いつでも自分の都合のいいときに利用できます。駅前などに多く、自分の通勤経路の便利なところでも見つけられるでしょう」(中野さん)

 24時間営業のジムは、既存のスポーツクラブよりも料金が手ごろなのも魅力だ。中野さんは、24時間営業のジムを自分でも利用していて、あることに気づいたという。

 「24時間営業のジムでは、まず筋トレを10分やり、次にトレッドミルでウォーキングを10分、そしてエアロバイクを10分やる、というような運動のやり方をしている人をよく見かけます。このように短時間で種目を変えることも、飽きずに運動を続けられるポイントになるでしょう」(中野さん)

 確かに、ウォーキングやジョギング、バイクだけを30分続けていると、次第に飽きてしまうことも多い。10分ごとに種目を変えるというのは気分転換にもなり、使われる筋肉も少しずつ変わるので、全身に刺激を与える効果も期待できる。

 また、スポーツクラブで仲間を見つけると運動が長続きするという話はよく聞くが、一方で、そうした常連とのコミュニケーションを負担に感じて、一人で運動したいという人もいるだろう。

 「深夜に集中して運動し、短時間で切り上げたほうが続けやすいという方にも、24時間営業のジムは向いているでしょう。私のクライアントは、昼休みや、午後の早い時間に24時間営業のジムに行って運動する方が増えています。食事をして眠くなったときに仕事をしても効率が悪いですから、そのタイミングでジムで汗を流せば、頭がスッキリして気分転換になるでしょう」(中野さん)

 まとめると、運動するタイミングとして、(1)週末、(2)朝、(3)昼、(4)夕方以降、という4つを試してみて、一番やりやすいときを見つけるのがお勧めだ。

 自分の生活パターンに合った運動習慣を身につけるためにも、24時間営業のジムの活用や、種目の組み合わせなどで工夫をしてみよう。

中野ジェームズ修一(なかの ジェームズ しゅういち)さん
スポーツモチベーションCLUB100技術責任者/PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー
中野ジェームズ修一(なかの ジェームズ しゅういち)さん フィジカルを強化することで競技力向上や怪我予防、ロコモ・生活習慣病対策などを実現する「フィジカルトレーナー」の第一人者。元卓球選手の福原愛さんやバドミントンのフジカキペアなど、多くのアスリートから絶大な支持を得る。2014年からは青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当。早くからモチベーションの大切さに着目し、日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナーとしても活躍。東京・神楽坂の会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB 100」の技術責任者を務める。『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)などベストセラー多数。最新刊は『女性が医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)。
女性が医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本