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中野ジェームズ修一の「遠回りしない体メンテ術」

「粗食」と「断食」ではなぜ健康にならないのか?

必要な栄養が不足することで体に様々な弊害が起こる

 松尾直俊=フィットネスライター

 「人間が生きて行くためには、最低でも1日におよそ1800~2000kcalのエネルギーが必要です。エネルギーが食事として外部から供給されなければ、体は体内にあるもので補おうとします」(中野さん)

 食事から供給されるエネルギーが不足した分だけ、体に蓄えられた脂肪が燃焼されればいいのだが、そう都合よくはいかない。人間の体には、たんぱく質を分解して糖を作り出す「糖新生(とうしんせい)」というという仕組みがあり、これは栄養学の世界では「体たんぱく質分解」と呼ばれている。

 糖新生において、最初にその標的にされるのが、大量のエネルギーを消費する「筋肉」だ。大食いの器官の働きを抑えて、その分のエネルギーを生命維持に必要な脳や内臓を働かせるために回すようになる、というわけだ。

 「筋肉を動かすためには、カルシウムなどのミネラルも必要です。それが食事から得られないとなると、今度は骨を分解して補うようになってしまいます。つまり、骨密度が下がるんです。ですから粗食を続けていると、筋肉量や骨量が低下していく恐れがあります」(中野さん)

ビタミン、ミネラル、食物繊維だけでは完全に栄養不足

 結局のところ、健康のためには「五大栄養素」をバランスよく摂取する必要がある。ここでいう五大栄養素とは、「たんぱく質」「炭水化物」「脂質」「ビタミン類」「ミネラル類」のことだ。

 たんぱく質は、人体の細胞のほとんどを構成し、1gあたり4kcalの熱量がある。炭水化物は糖質と食物繊維が結びついたもので、活動のための重要なエネルギー源となり、たんぱく質と同程度のカロリーだ。脂質は、ホルモンや細胞膜、核膜を作り出す役割を担っており、1gあたり9kcalという効率の良いエネルギー源にもなる。これら3つを合わせて「三大栄養素」ともいう。

 ビタミン類やミネラル類は、ほかの3つの栄養素や器官が体内で正常に働くための手助けをするもので、それ自体には体を動かすために必要なエネルギーを含んでいない。

 「ビタミンとミネラルをたくさんとると健康になるような気がします。でも、筋肉や臓器を構成し、エネルギー源にもなっている三大栄養素が不足すれば、いくらビタミンやミネラルをとっても、人体を構成している細胞を正常に働かせたり、成長させたりすることができないのです」(中野さん)

医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本

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