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中野ジェームズ修一の「遠回りしない体メンテ術」

イメージ通りに体が動かない…年を取ると衰える「巧緻性」って何?

バランス能力を回復して脳を活性化しよう

 松尾直俊=フィットネスライター

幼少期に身につけた巧緻性は衰えが少ない

幼少期に巧緻性を育むなら「ジャングルジム」がお勧めだ。(c)ziggymars-123RF

 ここまでは、年を取るにつれて巧緻性が衰えてくる問題について考えてきた。一方で、「最近は子どもたちの巧緻性が低下してきていることも問題です」と中野さんは言う。

 「実は、巧緻性は幼少期に一番発達します。特に“ゴールデンエイジ”と言われているのが、6歳から12歳くらいの間です。それが、神経系が最も発達する時期だからです」(中野さん)

 さらに付け加えると、12歳くらいからは心肺機能が大きく発達し始め、16〜17歳くらいからが筋力が発達し始める時期だ。

 「昔は木登りをしたり、公園のジャングルジムで遊んだりすることで、自然と巧緻性が身についていました。特にジャングルジムは最適です。登ったり降りたり、潜って抜けたり。どの場所を抜けたら一番早く目的の場所に行けるかを考えたりすることが、巧緻性を高めることに役立ちます」(中野さん)

 体を巧みに動かす能力は、神経細胞と神経細胞がつながることで発達していく。そして、幼少期にできた神経のつながりは、よほどのことがない限りなくなることはない。一度自転車の乗り方を覚えてしまえば、しばらく乗っていなくても、すぐにこぎ出せるのもそのためだ。

 「幼少期に巧緻性が培われていると、思うように体が動かせますから、その後にスポーツを始めたときも、スキルを習得するのが簡単になるんです。でも最近は、外遊びをすること少なくなったので、子どもの巧緻性が低下し、それがそのまま大人になってからの巧緻性の低下につながっています。鉄棒の逆上がりができない子どもが増えていますが、実は親も自分ができないから教えられなかったりするのです」(中野さん)

 それでは、幼少期に巧緻性をあまり獲得できなかった人は、スポーツをやってもうまくならないのだろうか?

 「そんなことはないですよ。それまで未経験だった人が、40歳を過ぎてからゴルフやテニスを始めた場合、最初はぎこちない動きかもしれませんが、練習していくうちに素早く、スムーズな動きでプレーできるようになるはずです。プロ選手並みとはいかないかもしれませんが、巧緻性は高められるんです」(中野さん)

 「もう年だから…」と諦めてはいけない。40歳を過ぎてからでも、巧緻性が衰えないように運動するだけでなく、スポーツを通じて巧緻性を高めることも可能なのだ。できる限り体を動かして、健康な状態を保っていこう。

中野ジェームズ修一(なかの ジェームズ しゅういち)さん
スポーツモチベーションCLUB100技術責任者/PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー
中野ジェームズ修一(なかの ジェームズ しゅういち)さん フィジカルを強化することで競技力向上や怪我予防、ロコモ・生活習慣病対策などを実現する「フィジカルトレーナー」の第一人者。元卓球選手の福原愛さんやバドミントンの藤井瑞希選手など、多くのアスリートから絶大な支持を得る。2014年からは青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当。早くからモチベーションの大切さに着目し、日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナーとしても活躍。東京・神楽坂の会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB 100」の技術責任者を務める。『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)などベストセラー多数。最新刊は『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP社)。
女性が医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本

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