大腸がん・乳がん・前立腺がんのオプション検査はこう選ぶ!
第3回 大腸内視鏡は3年に1度、乳がんは40歳を境に選択肢が変化
梅方久仁子=ライター
人間ドックのオプションにはどんな検査があって、何を基準に選べばいいのか。三井記念病院総合健診センター特任顧問で日本人間ドック学会副理事長の山門實氏の話を元に、肺がんや胃がん検診を取り上げた第2回「肺がん・胃がん検診 オプション検査はこう選ぶ!」に続き、第3回は、大腸がん、乳がん、子宮頸がん、前立腺がんの検診について詳しく紹介しよう。まずは近年、がんの死亡数で男性では肝臓を抜いて3位、女性では1位になっている大腸がんから。
第2回 人間ドックのがん検診、オプション選びのコツ
【肺がん・胃がん】
第3回 人間ドックのがん検診、オプション選びのコツ
【大腸がん・乳がん・前立腺がんほか】
第4回 メタボが気になる人はドックで調べておきたい、
脳と循環器系の状態
第5回 人間ドックの施設選び、3つのチェックポイント
【大腸がん】3年に1度は大腸内視鏡検査を
近年、男女ともに死亡数(人口10万対の死亡率)が上昇し続けている大腸がん(下図)。過度の飲酒(日本酒の場合1合/日以上)(*1)、肥満、2親等以内の血縁者に大腸がん患者がいる場合は、大腸がんの高リスクとされている。
市町村が行っている大腸がん検診や、日本人間ドック学会の基本検査項目では、大腸がんの検査として便潜血検査を実施する。さらに人間ドックでは、施設によって希望すればオプション検査として大腸内視鏡検査を受けることができる。
便潜血検査は、大便の表面を擦り取って、微量の血液が混じっていないかを調べる検査だ。大腸にポリープやがんができると出血しやすく、出血していると便潜血反応が陽性になる。大腸がんはポリープから変化するので、ポリープの段階で発見することは重要だ。
「便潜血検査が陽性の場合、2に1人はポリープが、200人に3人くらいは、がんが見つかります。ただし、ポリープがあっても陰性になることもあり、直接大腸の中を観察する大腸内視鏡検査に比べると、精度はかないません」と山門氏。