カギは血糖値! 脳のパフォーマンスを上げる食事術
パフォーマンスUPのための“疲れ知らず脳”のつくり方(3)
塚越小枝子=フリーライター
炭水化物の賢いとり方
では、食生活の中で、どのように炭水化物をとればよいのだろうか。
まず朝食では、パンと卵、ご飯と納豆などのように炭水化物と一緒にたんぱく質もセットで食べると、血糖値の急激な上昇を抑えられるうえ、腹持ちもいいという。
・朝食は抜かない
・炭水化物だけでなく、必ずたんぱく質も一緒に
昼食や間食では、できるだけ血糖値が上がりにくい低GI食品を選ぼう。血糖値の上がりやすさは「GI値(=グリセミック・インデックス)」という指標で表され、ブドウ糖を100とすると、炭水化物、たんぱく質、脂質の順に低くなる。炭水化物のなかでも、白米より玄米、うどんよりそば、普通の小麦粉よりパスタに使われるデュラムセモリナ粉のほうがGI値が低い。
「午後の眠気や空腹感、集中力の低下が頻繁にある人は、昼食や間食で高GIの食品を食べた結果、一時的に血糖値が急上昇した後に急降下しているのかもしれません」(西本さん)。
ランチで外食する際は、白米と玄米を選べるなら玄米を選ぶ、午後の眠気を避けたい日はうどんよりそばを選ぶ、といったことを心がけよう。
また、白米などのGI値の高いものでも、食物繊維を一緒にとると血糖値は上がりにくいので、たとえば牛丼大盛りを単体で注文するのではなく、並盛りでお新香やサラダ、野菜や海藻の入った味噌汁をつけるようにしよう。
「午後の眠気や空腹感、集中力の低下が頻繁にある人は、朝食を抜いていたり、昼食や間食に高GIの食品を食べて血糖値が乱高下していたりするのかもしれません」(西本さん)
・なるべく低GI食品を選ぶ
・食物繊維を一緒にとる
夕食も基本的には昼食と同じだが、寝る直前に食事をすると、睡眠中に胃腸が働いて疲れがとれにくくなるので、夕食は就寝の2~4時間前には済ませよう。
また、「食べる順番」によっても血糖値の上がり方は変わってくる。野菜など食物繊維が多いものから先に食べると、糖質の吸収を緩やかにする効果があるため、「サラダなどの野菜料理→たんぱく質中心のおかず→ご飯・パン・麺類などの炭水化物」の順番で食べよう。
・就寝の2~4時間前までになるべく済ませる
・野菜→たんぱく質中心のおかず
→ご飯・パン・麺類などの炭水化物の順番で
さらに、ひと口20~30回とよくかんで、ゆっくり食べることも大切だ。消化の効率がよくなるだけでなく、時間をかけて味わうことは、集中力を高め、味覚などの感覚を磨くことにもつながる。「ゆっくり食べるのを実践するのは結構難しいので、ひと口ごとにいったん箸を置いて会話を楽しむ、といったことを意識するのもいいでしょう」(西本さん)
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