遺伝子検査で、自分に合った「効果的なダイエット法」がわかる!
「体質」に合わない肥満対策ではダイエット効果が上がらない
田村知子=フリーランスエディター
「遺伝子検査サービス」の低価格化が進み、試しやすくなってきた。がんのかかりやすさ、お酒の耐性、太りやすさなど、遺伝子が影響する範囲は広い。遺伝子情報は一生変わらないことから、「一度検査しておこうか」と思った人もいるだろう。今回の特集では、遺伝子検査サービスの最新事情から、実際にどういった手順でサービスを受け、どんな結果が届くのかまでを紹介していく。
特集の第1回では遺伝子検査サービスのトレンドや概要を紹介した。今回は遺伝子検査サービスの項目の中でも関心の高い「肥満関連遺伝子」と、その検査結果に基づいた効果的なダイエット法を見ていく。
誰もが気になる“太りやすさ”に関わる遺伝子
遺伝子は、親から子へと受け継いだ「体の設計図」。ヒトの遺伝子の配列はほぼ同じだが、わずかな違いが、その人の顔かたちや体格、体質などを決める要因となっている。
「遺伝子検査サービス」で自分の遺伝子情報を調べることで、がんのかかりやすさなどの病気のリスクから、お酒の耐性といった体質の傾向までさまざまなことがわかるが、中でも多くの人が気になるのが“太りやすさ”に関わる遺伝子、いわゆる「肥満関連遺伝子」ではないだろうか。お腹が“ポッコリ”したミドル以上の男性、美容を気にする女性など、「もうちょっと体重を落とさないと…」と考えている人は男女問わず非常に多い。
肥満対策というと、基本は「食事」と「運動」だ。高カロリーな食事は抑えて野菜を摂り、ウォーキングをするなど日々運動も心がける。これらは、誰もがこれまで繰り返し言われてきたことだろう。
一般論としてはその通りだが、ここにもう一つ重要な要素がある。それが「体質」だ。ご存じの通り、体質は人それぞれ異なる。例えば、糖質制限(低炭水化物)ダイエットに成功した友人の話を聞いて、自分も同じように試してみたけど、なかなか痩せない――。こんな経験をしたことのある人もいるのではないだろうか。
「体質」に合わないダイエットでは効果が上がらない?
体質を決める要因の一つが、その人が持つ肥満遺伝子の違いだ。肥満遺伝子にはそれぞれ特徴があり、その肥満遺伝子に変異があるかどうかで、太りやすさ、痩せやすさも変わってくるといわれている。詳しくは後述するが、遺伝子の違いにより、例えば、糖質で太りやすい体質の人、あるいは、脂質により太りやすい体質の人がいることなどがわかっている。
遺伝子検査サービスにより自分の肥満の体質を知れば、より効果的な肥満対策を打てる可能性がある。遺伝子栄養学に基づいた健康・美容サービスを提供するネオリアの新規事業開発部 部長 近藤秀樹氏はこのように説明する。
「体質は人それぞれ異なります。体質に合っていないダイエットをしても効果が上がらない場合があります。例えば、糖質を燃焼する力が弱い人は『朝バナナダイエット』は向きませんし、脂質を燃焼する力が弱い人は『糖質制限ダイエット』は向いていません。同じカロリーの食事でも、体質に合った食材を選んだ方がダイエット効果が期待できるわけです」(近藤さん)
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