腰痛・肩こり・不眠・集中力低下…「猫背」の害を3分間体操で解消!
猫背を治せば集中力がアップ、老化予防にも最適!
「ダラッと座り」を直してデキるビジネスパーソンになろう
伊藤和弘=フリーランスライター
仕事がデキる人は、いつも堂々としていて背筋がまっすぐ伸びている印象がないだろうか。逆に背中が丸まった猫背の人は、どこか頼りなく見えるもの。猫背を直し、姿勢を良くすれば、周りの人に対する印象が良くなることに加え、気になる体の不調も改善され、筋力の衰えも防げ、集中力もアップする。働き盛りのビジネスパーソンにとって、“猫背撃退”はメンタル面でもフィジカル面でも極めて効果的な健康法なのだ。

ビジネスの現場で、姿勢の良し悪しは意外に重要だ。背筋がまっすぐ伸びている人は自信にあふれ、堂々として、いかにも仕事ができそうに見える。
ところがデスクワークの多い人は、どうしても「猫背」になりがち。単に見た目の印象が悪くなるだけではなく、健康にも影響が表れる。医学的には「円背(えんぱい)」といって、脊椎湾曲症の一つに分類されるほど。放っておくと、頭痛、肩こり、腰痛、不眠症、胃腸障害など、様々な不調が起きる。また、動きが鈍くなり、加齢による身体の衰えも加速する。決して甘く見てはいけない。
肩こりや腰痛に悩む人たちに独自の「元気姿勢体操」などを指導してきた虎ノ門カイロプラクティック院(東京都港区)の碓田拓磨院長は、こう話す。「人が猫背になるのは、立っている時よりも、座っている時が圧倒的に多いのです。その理由は、人間は座ると骨盤が後ろに傾きやすい構造になっていて、骨盤が後傾すると必然的に猫背になるからです」。骨盤を立てて座れるようになると、自然に背すじは伸び、肉体だけでなく、メンタルにも良い影響が出るという。
猫背でいると気分も沈む
碓田院長は以前、放送大学で講師をしていたときに、10~80代の206名の男女を対象に「姿勢と気持ちの関係」についてアンケートを行った。
それによると、「背中を丸めて『やる気マンマンです』と前向きに考える」ことを「不自然」と感じた人は96%、逆に「背筋を伸ばして『もう最悪です』と後ろ向きに考える」ことを「不自然」と感じた人は82%もいたという。確かに、背中を丸めて「ああ、オレってなんて幸せなんだ!」と叫ぶのは難しい。自然と気持ちが暗くなり、ネガティブな考え方になってこないだろうか。
「姿勢は周囲に与える印象だけではなく、自分自身の心理状態にも大きな影響を与えます。自信のなさが姿勢に表れると言いますが、逆に姿勢を正すことで自信が生まれ、気持ちも明るくなるわけです」(碓田院長)
姿勢の良し悪しは、恐ろしいことに仕事の効率にも影響する。
猫背になっていると胸郭が圧迫されるため、肺活量が小さくなる。「脳に取り込まれる酸素が減るため、集中力が落ちるんです」と碓田院長。一方、骨盤を立てて座ると交感神経のスイッチが入り、心身にほどよい緊張感が生まれる。脳と体を活性化し、効率よく仕事を進める上でも骨盤を立てて座ることは大切なのだ。
しかし残念なことに、現代社会で姿勢がいい人は極めて少ない。「電車で座っている人を見ると、95%は猫背になっていますね」と碓田院長は苦笑する。「猫背になる最大の要因は、姿勢を保持するために最低限必要な体力が備わっていないから。骨盤を立てて座り続けられる体力(筋力とバランス感覚)を備えることが、猫背解消の近道です」(碓田院長)。
猫背がもたらすデメリットは意外に多い
|
この記事の概要
