不足しがちなたんぱく質・ビタミン・ミネラルはカレーの具材で補おう
「朝カレー」は具材で簡単グレードアップ!
仲尾匡代=医療ライター
【お薦め具材3】
温度差によるダメージに立ち向かうビタミンCは夏野菜で

夏に積極的に摂りたい栄養素の一つにビタミンCがある。この成分も汗とともに失われてしまうので夏は不足しがちだ。「ビタミンCは、ストレスを感じると消耗されます。強い日差しや室内外の温度差も、体にダメージを与えるストレスとなります。また、紫外線によってできるシミやソバカスの改善にもビタミンCが必要です」と牧野さんは説明する。ビタミンCの抗酸化作用は免疫力向上にもつながるという。
幸い、暑い時期に旬を迎えるピーマンやししとう、ゴーヤなどといった夏野菜にはビタミンCが豊富に含まれている。これらの色の濃い野菜には、同じく抗酸化作用のあるポリフェノールを豊富に含むのでなお良いとのこと。
通年の野菜なら、パプリカやかぼちゃもお薦め。これらの野菜に多く含まれるカロテンも抗酸化作用が期待できる。
エネルギーは炭水化物の糖質からだけでなく、脂質からも作られる。その際に必要となるのが、ビタミンB2である。ビタミンB2が多く含まれる食材といえば、卵である。
カレーには脂質も多く含まれるので、ぜひ卵と合わせて食べることをおすすめしたい。ゆで卵をトッピングしたり、生卵をかけたり。サイドメニューのサラダに加えてもよいだろう。また、脳の働きに関与し、不足すると食欲不振になりやすいビタミンB6やビタミンB12の摂取も心がけたい。
B6は青魚などの魚介類に、B12はあさりに多く含まれている。これらが足りなくなると、代謝が滞ったり、貧血などで疲れやすくなるので要注意だ。これらは、水煮の缶詰を利用すると手軽にメニューに加えられる。
【お薦めのつけあわせ&サイドメニュー】
疲労回復には酢酸・クエン酸、ミネラル補給には生野菜や果物を

地方や家庭によって違いはあるが、カレーのつけあわせというと、一般には福神漬けやらっきょうが定番となっている。しかし、毎回福神漬けやらっきょうではつまらない。夏の疲れに効果が期待できるつけあわせやサイドメニューはないのだろうか。
疲労回復に酸味が効く塩分少なめのピクルスがおすすめ!
「酸味は、酢酸やクエン酸によるもの。これらの成分には、疲労物質と呼ばれる乳酸が、体にたまらないように取り除いたりする働きがあります」(牧野さん)。酢酸やクエン酸は胃腸の働きを活発にするので、食欲不振の解消にもつながるそうだ。酸っぱいものを食べたり、匂いを嗅いだりすると出てくる唾液も、消化を助ける働きがある。
牧野さんが薦めるの“酸っぱいつけあわせ”は、野菜のピクルス。カレーのスパイスとの相乗効果で、食欲改善、消化吸収の効率化につながるという。
汗とともに流出したミネラルは生野菜や果物で補おう
夏バテの原因の一つに、カリウム不足があるのをご存じだろうか。体がだるい、力が入らないというのは、カリウム不足で起こる不調だ。夏場は汗とともにカリウムが排出されやすい。さらに、カリウムが足りないと足がつることも。足がつるのは、冷房で冷えたせいだけではないのである。
なお、ナトリウムも汗で流出するが、牧野さんいわく「日本人は、普段の食事でナトリウムを摂り過ぎているぐらい。激しい運動などをしたのでないならば、汗で多少排出されたからといっても心配いりません」(牧野さん)。牧野さんによると、カリウムを摂取するには、生野菜を食べるとよいとのこと。野菜サラダをサイドメニューにするとという。
果物にもカリウムは多く含まれているので、デザートで食べるならそれでもOKだ。デザートに柑橘類を食べるのは、ビタミンCが摂取できて一石二鳥だ。
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