朝カレーで仕事のパフォーマンスを底上げしよう!
ビジネスパーソンにおすすめ! 煮込まない・細かい具の朝カレー
仲尾匡代=医療ライター
日本の夏は暑くて長い。屋内外での温度差や、冷たいものの摂りすぎで知らず知らずのうちに、夏の疲れが積み重なっていき、不調を招く原因になる。前回は、「夏の疲れこそカレーが効く」と強調する、漢方専門医の丁 宗鐡(てい・むねてつ)先生に、カレースパイスの効能やルーツについて話を聞いた。今回は、具体的にカレーの力を余さずいただく方法について伝授してもらう。「カレーを食べるなら朝がいい」「カレーは煮込まない」「具は細かく」など、これまでの常識を覆す情報が満載だ。
前回の記事(「知ってた? カレーは“おいしい”漢方薬」)では、カレースパイスの効能について解説してきた。今回は、夏バテと呼ばれる不調にカレーが具体的にどう効くのかから紹介していこう。
【夏バテ対策・その1】深部から温め、体の冷えを取り去る

現代の夏バテの大きな要因は、冷房や冷たいものの摂り過ぎによる体の冷えだ。「漢方では、体の冷えは未病(*)の一つとして、対処すべきものになります」と話すのは、漢方専門医で百済診療所院長の丁 宗鐡(てい・むねてつ)先生。冷えは血液の循環を悪くさせ、肩こりや腰痛、関節痛のほか、消化機能の低下による下痢などの原因にもなる。新陳代謝も悪くなり、免疫力をも低下させるといわれている。
*未病とは、病気になる前の状態。
冷えの改善に丁先生はカレーを薦めている。「カレーには、血行を良くして新陳代謝を高める作用のあるスパイスが豊富に含まれています。体を温めるには最適です」(丁先生)。カレーを食べていると、汗ばんでくるのを経験したことはないだろうか。実際に、カレーを食べた人は食事の後に深部体温が上昇したという実験結果がある(図1)。「カレーを食べると、血流がよくなって体の体温が上がっている証拠です」と丁先生。
【夏バテ対策・その2】自律神経のリズムを整え、免疫力アップ
冷えに加え、酷暑の屋外と冷房の効いた室内を行き来していると、その温度変化に体がついていけず、自律神経の機能が乱れてしまう。その結果、倦怠感やイライラ、ひどくなると、めまいや吐き気、不眠など、体に不調が生じるのだ。
さらに、自律神経がうまく働かなくなると、血行不良が起こり、冷え性と同じ症状を来す。ただでさえ冷房で体が冷えているのに、追い打ちをかけることにつながる。「カレーのスパイスには、この自律神経を活発にさせる作用があります」と丁先生。自律神経が活発に働けば免疫力もアップして、病気なりにくくなるという。