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がんになって気付いたこと

治療の発展とともに、患者の力は医療者から期待される存在に

肺がん患者会・ワンステップ!代表 長谷川一男さん「人はみんな、支え合っている」(後編)

 長谷川一男=ワンステップ!代表

患者の声が医療や行政を動かす

日本肺がん患者連絡会としては、どんな活動をしているのですか。

長谷川 ひとつには、2015年11月に患者会の代表が集まって、1回目の会議を開催しました。日本肺癌学会からも、先生方が参加してくださいました。

 それから、情報提供のために「肺がん患者が作る!トコトン患者応援マガジン『肺がんBOOK』」を作成しました。つい先日、第1号が刷り上がったところです。これは、参加する6つの患者会で閲覧可能なほか、全国のがん診療連携拠点病院にあるがん相談支援センターにも配布します。HPにも載っています。次号の発行予定はまだ決まっていませんが、今後も年に何回かは出していきたいと思っています。

 患者会をアピールする活動もしていきたいと思います。いま、日本肺癌学会主催の市民公開講座では、患者会から出席して、話をすることになっています。また、キャンサーネットジャパンというがんの情報発信をするNPO法人でも、同じような市民公開講座で、患者会から人を出して話すことになっています。これらは主に患者の体験談を話すものですが、この機会に「患者会は患者の後ろ盾になって、いろいろな活動をしていますよ」と多くの人に伝えていきたいと思っています。

 呼ばれて話をするだけではなく、自分たちがイベントの企画段階から関わることも、やりたいと考えています。

 例えば、アメリカでは2015年に開催された世界肺がん会議で、患者が企画した患者プログラムを実行していました。何千人も集まる大規模な集会で、患者自身が主体となって開催したプログラムがあるのです。この世界肺がん会議の患者プログラムには、山岡さんも参加されましたよね。

 日本でも同様のことをやりたいと思っています。実は、12月に福岡で開催される日本肺癌学会の学術集会で、日本肺がん患者連絡会が患者プログラムの運営に企画段階から関与しています。おおよその内諾をいただいているので、おそらく実現できるでしょう。

医療者との連携は着々と進んでいますね。行政への働きかけはどうですか。

長谷川 患者の声を行政に届けるということでは、最近、貴重な体験をしました。

 2015年12月にニボルマブ(オプジーボ)という新薬が承認されたのですが、医療保険の手続きの問題で、ほとんどの医療機関で、現実的に使用できなくなるおそれがありました。そのままでもやがて修正されたかもしれませんが、使用開始が数ヵ月でも遅れると、患者にとっては致命的になりかねません。

 そこで、日本肺癌学会と日本肺がん患者連絡会の連名で、厚生労働省に要望書を提出しました。そうしたら、「なるほど、それなら」とすぐに手続きを変更してくれたんです。厚生労働省は、問題点に気付いていなかっただけなんですね。

 すべての要望がすんなり聞き入れられるとは思いません。でも、要望すれば、すぐに聞き届けられることもある。それがわかったことは、大きな収穫でした。

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