60代前半の9割が「もの忘れが心配」…将来の認知症との関係は?
日経Gooday読者アンケート調査
日経Gooday編集部
「名前が出てこない」「自分が何をしようとしたのか忘れる」…。年齢とともに増えてくるもの忘れは、ミドル以上なら誰にでも経験があるもの。とはいえ、自分は周りと比べてひどいのでは? と不安に思う人も多いでしょう。中には「ひょっとして認知症が始まったのか」と深刻に悩んでいる人もいるかもしれません。そこで、もの忘れと生活習慣について日経Goodayの読者にアンケート調査を実施しました。将来の認知症リスクについても解説する特集「怖いもの忘れ、怖くないもの忘れ」と併せてお読みください。
60代前半ではなんと9割超が「もの忘れが心配」
【調査の概要】
- 手法 インターネットによるアンケート調査
- 調査期間 2017年11月10日~11月20日
- 回答数 327
「もの忘れが心配」と答えた人の割合を年齢別に見ていくと、50~54歳でぐっと増えて7割を超え、60~64歳では9割を超えます。もの忘れはミドル以上にとっては当たり前で、多くの人が悩んでいることが分かります。40代後半でも、半数以上がもの忘れを心配しているのです。
ところが、65歳以上になると「もの忘れが心配」と答えた人の割合が減り、70代では7割を切る結果となりました。
かつては「60歳」が定年となって仕事を辞める年齢でした。ところが現在は、定年後の再雇用制度などで60代半ばまで働き続ける人も多く、「かつての“定年”という考え方が変わってきています」と、『定年認知症にならない脳が冴える新17の習慣』という著書のある脳の専門家の築山節さん(北品川クリニック所長)は言います。
年齢とともにもの忘れが心配になってくるけれども、65歳以上になって仕事を辞めると、そこまで心配に思うことはなくなってくるのかもしれません。
知人の名前が思い出せない、買い物を忘れる…
それでは、どのようなもの忘れを経験しているのでしょうか。最も多かったのが「知人の名前を思い出せないが、ヒントをもらえば思い出せる」で75.8%。続いて、「買い物に行って、何かを買い忘れてしまうことがある」、「自分が何をやろうとしていたのか分からなくなることがある」が5割弱でした。
こうしたもの忘れは多くの人が経験したことがあるでしょう。ただ、北品川クリニックの築山さんは、「もの忘れは年を取れば誰にでもあるもの。心配しなくても大丈夫ですよ」と言います。
仕事上のもの忘れはミスにつながるのでは、という心配もあるかもしれませんが、築山さんは、手帳やスマートフォン、パソコンなどを使って「忘れても大丈夫な“システム”を作りましょう」とアドバイスします。
つまり、道具を上手に使って記録をとったりタスクを管理すれば、もの忘れが増えても問題なく働けるというわけです。また、毎日、手帳などに記録を残し、空き時間にそれを見直すことで、脳機能の低下を防ぐことにもつながるそうです。
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- 仕事でのストレスがもの忘れの原因に!?