日経グッデイ

Gooday調査

調査で判明!ビジネスパーソンの疲れの実態&誤解

日経Gooday ビジネスパーソンの疲れの実態調査より

 塚越小枝子=フリーライター

日経グッデイの特集でも反響の大きかった「疲労」というテーマについて、その実態や、多くの人がどんな対策をとっているのか、アンケート調査を実施した。疲労解消についての知識を問う設問では、多くの人が疲労対策として意識していることに少なからず誤解があることも明らかになった。

【調査概要】
  • 手法 インターネットによるアンケート調査
  • 調査期間 2016年6月16日〜6月27日
  • 回答数  241名

6割近くの人が「疲れている」!

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 「普段の生活で、どのくらい疲れ・疲労を感じますか?」という質問に対して、「全くない」と答えたのはわずか2.5%だった。「ほとんどいつも」26.6%、「よくある」31.5%を合計すると、6割近く(58.1%)の人が疲れを自覚しており、“疲労大国”といわれる日本の実態を映し出す結果が出た。

「寝ても疲れがとれない」という人が4割以上もいる

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 「寝ても疲れがとれない、休んだ気がしない」と感じる頻度について聞くと、「ほとんどいつも」が14.0%、「よくある」が26.8%と、日々の疲れが回復されない人が4割以上(40.8%)も存在するという結果だった。

疲れたとき、だるさ・眠気を感じる人が多い

(N=235)
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 疲れたときの症状で、最も自覚されることが多いのは、「体が重い、だるい、倦怠感」(70.2%)だった。次いで「日中の眠気、寝不足感」(63.8%)、「肩や首のこり、腰痛」(63.4%)が多い。そのほか、「やる気の低下」「集中力の低下」を感じる人も半数近くいた。

疲れの原因は「精神的ストレス」が最多

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 疲れの原因として考えられるのは、「精神的ストレス」が最も多く、62.1%だった。「睡眠不足」(51.5%)、「運動不足」(43.0%)、「体力不足」(36.6%)という回答も多く、「分かってはいるけれど、なかなか改善できない」という生活習慣改善の難しさを物語っているようだ。「気温や湿度などの天候、環境」と答えた人も31.5%いた。

疲れをとるためにみんながしているのは「寝る」こと

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 疲れをとるためにしていることを聞くと、「寝る」という回答が83.0%と圧倒的に多かった。そのほかに「運動」(36.2%)、「気分転換(映画、旅行、ドライブなど)」(36.2%)、「お酒を飲む」(35.3%)などという結果だった。

 東京睡眠・疲労クリニック院長の梶本修身さんによると、疲労回復の唯一の手段は睡眠であり、その他の対策はやり方によってはかえって疲労を招くこともあるそうなので、注意したい。また、疲れを取る目的で入浴するなら、熱い風呂よりぬるめの風呂のほうがよいそうだ(詳しくは「1泊2日温泉旅行は疲労回復に逆効果!?疲れ回避のための新常識【暮らし編】」をご覧ください)。

半数以上の人が寝ているときにいびきをかいている!

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 疲労回復のカギを握る「睡眠の質」に関連した「夜寝ている時、いびきをかきますか?」という質問には、「ほぼ毎日かく」23.2%、「時々かく」29.5%を合わせて、半数以上(52.7%)の人がいびきをかいているという結果だった。

いびきをかく人の86.7%が疲れを感じている

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 いびきをかくと答えた人のうち、日中に眠気や慢性的な疲れを感じている人は、「ほとんど毎日感じる」が27.6%、「時々感じる」が59.0%で、実にいびきをかく人の86.6%が疲れを感じているということが浮き彫りになった。

 梶本さんによると、疲労から回復する手段は「睡眠」しかなく、その睡眠の質を悪くする最も大きな要素は「いびき」だという。

 「いびきは、気道が狭くなっている状態で呼吸をするときに聞こえる、空気が通る音のこと。つまり、いびきをかくということは、気道をストロー、肺を風船に例えれば、細いストローで風船を一所懸命膨らませているようなものであり、その作業を一晩に何回もくり返せば、呼吸を調整している自律神経が疲弊してしまうのは当然です」と梶本さん。いびきの自覚がある人は、なかなかとれない疲れとの関係を疑ったほうがいい(疲れといびきの関係について、より詳しくは、「寝てもとれない疲れの原因は『いびき』だった!その疲れの解消法は?」をご覧ください)。

いびきを自覚しながら、受診する人は少ない

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 いびきをかき、日中に眠気や慢性的な疲れを感じているものの、いびきのことで睡眠外来などの医療機関を受診したことのある人は、わずか15.7%しかいない。「近々受診する予定」(3.1%)を含めても2割弱(18.9%)にとどまった。79.6%は「今後も受診の予定はない」と回答した。いびきをかいていても「たいしたことがない」と思っている人が多いようだ。

 だが、前述した通り、いびきは慢性疲労の原因になっていることが多い。また、いびきを放置すると、頭痛、狭心症、不整脈(⇒突然死)、高血圧、インスリン抵抗性(⇒糖尿病、脂質異常症)などにつながるリスクもある(いびきの危険性についてより詳しくは「メタボよりも怖い『危険ないびき』、放置すると寿命も縮まる」をご覧ください)。

 最後に、疲れに関する知識を探る質問をしたところ、誤解している人が多い事項があることが分かった。

誤解1 運動でストレスを発散すると疲れがとれる

誤解率85.9%
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 「運動でストレス発散すると疲れがとれることは、科学的根拠に裏打ちされている」という設問について、「そう思う」人が32.4%、「どちらかと言えばそう思う」人が53.5%。8割以上(85.9%)の人がそう思うと回答したが、実際はその逆だ。

 「運動を続けていると、脳内でエンドルフィンなどの物質が分泌されて疲労感を隠すマスキング作用が働くので、あたかも疲労が解消されたような感覚を覚えますが、じつは脳の中にある自律神経の中枢は疲れている。仕事で脳疲労がたまったうえに無理して運動すれば体はさらに疲れるため、ご注意ください」と梶本さんは話す(運動と疲れについてより詳しくは「1泊2日温泉旅行は疲労回復に逆効果!?疲れ回避のための新常識【暮らし編】」をご覧ください)。

誤解2 鶏の胸肉には抗疲労成分は含まれない

誤解率 40.6%
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 食品の中では、実は鶏の胸肉に抗疲労成分が豊富に含まれているが、これについて正しく知っていた人(「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」と答えた人)は56.9%、知らなかった人は40.6%だった。

 産官学連携の「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」で、最も抗疲労効果が認められたのが、鶏の胸肉に含まれている「イミダゾールジペプチド」という抗酸化成分だ。イミダペプチドは他の抗酸化成分などと比べて、体内で持続的・効率的に抗酸化作用を発揮しやすいことも明らかになっている(イミダペプチドの抗疲労効果についてより詳しくは「栄養ドリンクは疲労に効かない!?疲れ回避のための食の新常識」をご覧ください)。

 

 科学的な疲労研究が進むにつれ、これまで常識と思われていた疲労対策の中にも間違ったものがあり、かえって疲労を悪化させることもあるということが分かってきた。正しい知識を得て、賢く対処したい。

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