若く見える人は“血液力”が高い
福田さんは、この「血流」に、「血液」「血管」を合わせた“血液のトータルな力”のことを「血液力」と呼び、それが私たちの健康や見た目に大きく影響していると話す。
【2】血管~血管に弾力性があり、血管壁が丈夫で詰まりがないかどうか
【3】血流~血流が正常でスムーズかどうか
【1】の血液の濃度・質には、血液中の成分が関わる。
血液を構成しているのは、赤血球、白血球、血小板のほか、血中脂質(コレステロールや中性脂肪など)、たんぱく質、血糖(ブドウ糖)、ミネラル、水分が主なものだが、このうち、とくに血中脂質と血糖の量が血液の濃度と質を左右するという。
「血液中にLDLコレステロール、中性脂肪、ブドウ糖が増えすぎると、血液の濃度が増してネバネバ、ドロドロになってしまいます。すると、血流が滞ったり、血管の壁に傷をつけたり、過剰になったLDLコレステロールが血管壁に入り込んで詰まったりして、血流と血管にも悪影響が出ます。一方、血液が薄くてサラサラしすぎてもよくありません。血液中の赤血球やヘモグロビン量などが不足すると貧血の原因になります」(福田さん)
【2】の「血管」は血管の弾力性や、血管壁の状態に関すること。血管はよくゴムホースに例えられる。新しいホースは弾力性と柔軟性に富み、外側も内側もツルツルで水を勢いよく通すが、古くなると硬くなり、内側は水垢などがたまってデコボコになり、水の通りが悪くなる。それが進むと、穴があいたり破れたりする。
「血管も老化すると弾力性が失われ、血管壁に血液中の余分なLDLコレステロールなどが入り込んで詰まります。すると、その部分の血管の内側が狭くなり、血流が悪くなります。血管の老化がさらに進むと、一部が詰まったり破裂したりして、脳卒中や心筋梗塞を引き起こします。血管の老化を進ませる主な原因は、血管に必要以上の圧力がかかり続ける高血圧です」(福田さん)
【3】の「血流」については、この記事の前半で解説した通り。「全身に張り巡らされた血管内を血液が勢いよく流れていれば、各細胞への酸素と栄養の運搬や、二酸化炭素や老廃物の回収がスムーズになるので、新陳代謝が活発になり、細胞の活動も盛んになります。逆に、血流が滞っていると、新陳代謝や細胞の活動が低下するため、冷えが現れたり、免疫力が落ちて病気になりやすくなったりします」(福田さん)。
「血液」「血管」「血流」――この3つは相互に関わり合っていて、どれか1つが悪くてもトータルの血液力は落ちてしまうという。
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- 「血液力」の高低でこんなに違う!