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メタボ・肥満解消に効果!「代謝アップ」大作戦

短時間睡眠はなぜ「太りやすい」のか?

実験で分かった「睡眠不足」と「食欲」「代謝」の深い関係

 村山真由美=フリーエディタ―・ライター

 ところで、この実験では、短時間睡眠の翌日は空腹感(食欲)が強まっていたが、1日リカバリー睡眠をとった後は元に戻っていた。この結果を見て、「平日に睡眠不足が続いても、土日によく寝れば大丈夫なんじゃないか?」と思った人もいるかもしれない。

 しかし、「この実験の被験者は20代の若者です。彼らは若いのでリカバリー能力が高かったということが十分考えられます。中高年で実験したら、食欲が元に戻るのにもっと時間がかかったかもしれません。短時間睡眠の日がたまにあったとしてもそれを毎日続けるようなことはせず、なるべく早く正常な睡眠リズムに戻したほうがいいでしょう」(内田さん)

運動習慣のある人は睡眠の質がいい

適度な運動をすることで、睡眠の質の改善が期待できる(c)Andrei Zaripov-123rf

 もう一つ、気になることがある。年をとると若い頃に比べて寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったり、明け方に目が覚めたりする。つまり、長く寝ていられなくなる。そういう人はどうしたらいいのだろうか。

 「運動と睡眠には深い関係があります。日中の運動量が増えると深い睡眠が増え、寝付きがよくなり、中途覚醒が減るといわれています。また、運動習慣がある人は運動習慣のない人に比べて睡眠の質がいいことも分かっています」(内田さん)

 運動は睡眠の質を改善するだけでなく、体に様々な変化をもたらしているだろうと内田さんは言う。

 「眠れなくて病院を受診すると睡眠薬が投与されます。飲むと夜眠れるようになりますが、少し日中眠くなったり、だるくなったりして運動量が減ります。日中の運動量が減ると夜間の睡眠の質が低下します。すると、さらに睡眠薬が出ます。このループは、実際の臨床の中では結構起こっています。しかし、私は睡眠だけを見るのではなく、運動や食事などを含めた生活習慣の改善を含めて睡眠の質を上げていくことが大切ではないかと思っています」(内田さん)

“ロバストな体”は規則正しい生活から

 私たちの体は加齢により「調整力」が低下する。それが、肥満や睡眠をはじめとする体全体の健康に影響を与えていると内田さん。

 「何かあってもすぐに回復できる体を“ロバストな体”といいます。これは頑丈とか壮健な体という意味ですが、ロバストな体をつくるには、食事、運動、睡眠をバラバラに考えるのではなく、複合的に考えることが大切です」(内田さん)

 そのために、最も簡単なのは「体の自然なリズムに合わせて生活する」ことだと内田さんは言う。現代人は体内時計が乱れている人が多いと聞いたことはないだろうか。体内時計の乱れを調節するのに一番いいのは睡眠リズムを整えることだという。やせたい人は、まず睡眠を見直すという「スモールチェンジ」をしてみてはいかがだろうか。

内田直(うちだ・すなお)さん
早稲田大学名誉教授、すなおクリニック院長
内田直(うちだ・すなお)さん 滋賀医科大学を卒業し、1983年より東京医科歯科大学で精神科臨床研修を行った後、睡眠研究を開始。1990年より2年間カリフォルニア大学ディビス校医学部精神科睡眠研究室で研究を行った。1992年より10年間、東京都精神医学総合研究所で睡眠研究を行う。この時期に精神障害者スポーツについての研究も行った。2003年、早稲田大学スポーツ科学学術院教授となり、運動と睡眠の関係、アスリートの睡眠と生体リズム、うつ病運動療法などを研究してきた。2017年4月から、すなおクリニック院長として臨床活動に専念している。
日比壮信(ひび・まさのぶ)さん
花王 開発研究第2セクター ヘルスケア食品研究所 主任研究員
日比壮信(ひび・まさのぶ)さん 1997年筑波大学大学院医科学研究科修了。同年森永製菓入社。農学博士(2003年)。2004年花王入社。ヘルスケア第1研究所健康機能評価センターへ配属。食品の機能性評価およびヒトのエネルギー代謝研究に従事。2013年コロンビア大学客員研究員。2014年より現職。食品成分の摂取がヒトの健康状態に与える影響の解明についての研究に取り組んでいる。

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