
「食べる量を減らさず、内臓脂肪を減らす方法」が分かった!
糖質を減らし過ぎると、太りやすい体に
村山真由美=フリーエディタ―・ライター
【しっかり食べても太りにくい食事「スマート和食」のポイント】
- 脂質を減らして「たんぱく質」を増やす(内臓脂肪をためない基本)
- 脂質をとるなら「オメガ3」(糖質を内臓脂肪にかえない)
- 糖質をとるなら「食物繊維」を一緒に(糖質を内臓脂肪にかえない)
「弊社では、一部の事業場の食堂で、スマート和食に基づいた『花王健康ごはん』を提供する内臓脂肪低減プログラムを実施して効果を検証しているところです。これは最初に内臓脂肪を測り、管理栄養士によるスマート和食のセミナーを聞いて、昼食はできるだけ健康ごはんを食べ、3カ月後に再度内臓脂肪を測定するというものです。スマート和食バランスの実践率が高かった人や、健康ごはんを食べた頻度が高かった人ほど内臓脂肪が減り、平均12~13平方cm減(*2)という結果が出ています」(高瀬さん)
*2 花王が大阪大学と共同開発した内臓脂肪計で測定した内臓脂肪面積
【図3】スマート和食の例
ごはん食の場合
ごはん食にするとバランスを整えやすい
パン食の場合
パン食の場合は脂質を控えるのがポイント
丼物の場合
単品料理(丼、麺類など)は具や小鉢でバランスを整える
カロリーは落とさずに、食事の質を変えたものなので、かなりボリュームがある(写真提供=花王)
【図4】スマート和食のメソッドを理解するためのチェック表(抜粋)
自分で献立を考えたり、外食時のメニューを選んだりする際に役立つ(※花王考案の食事チェック表より一部抜粋)
「こんなにたくさん食べて本当にやせられるの?」と思った人は、普段食べる量を減らし過ぎているかもしれない。ダイエットの新常識はエネルギーを減らすことではなく、エネルギーを保ったまま食事の質を上げることだ。この「スモールチェンジ」を実践することで、おいしく食べて内臓脂肪とさよならしよう。
小島美和子(おしま・みわこ)さん
管理栄養士、健康運動指導士、食コンディショニングプロデューサー

クオリティライフサービス代表取締役。企業や健康保険組合における食生活改善サービスの提供、食品、健康サービス事業者に対するお客様サービス向上のためのライフスタイル提案、各種コンテンツ企画・ヘルシーメニュー開発などに携わる。テレビ、ラジオ、雑誌への出演も多く、著書に『1週間でお腹からスッキリやせる食べ方』(三笠書房)がある。厚生労働省の特定保健指導実践者育成研修会の講師も務める。
高瀬秀人(たかせ・ひでと)さん
花王 基盤研究セクター 生物科学研究所 上席主任研究員

1989年筑波大学第1学群自然学類卒業。1994年同大学大学院計算物理化学専攻修了。理学博士。同年花王入社。素材研究所、ヘアケア研究所、構造解析センターを経て、2000年より同社ヘルスケア食品研究所にて食品の機能性評価および民間企業で初のヒューマンカロリメーターの立ち上げと運用に従事。2015年より現職。ヒトの食事や生活習慣とエネルギー代謝、健康状態の関係について、データ解析・統計技術を応用した研究に取り組んでいる。