その理由は、食べる時間が大きく関係しているという。私たちの体にはいくつかの体内時計があり、日周リズム(サーカディアンリズム)がダイエットと深く関わっているといわれる。
「代謝は1日中同じ状態ではなく、時間によって食べて消費するエネルギーや利用されやすい栄養素、利用されにくい栄養素が決まっていることが分かっています。例えば、夜遅くは脂質や糖質の代謝が悪くなるので、朝、昼に食べるよりも太りやすくなります」(小島さん)
また、私たちは1日24時間というルールで社会生活を送っているが、体内時計は24時間より少し長いリズムで刻まれている。このズレを放置すると体の代謝リズムが乱れるといわれている。「朝日を浴びることと朝食をとることは、体内時計をリセットする2つのスイッチだといわれています」(小島さん)
「朝食を食べること」と「夜遅く食べないこと」。2つのスモールチェンジを心がけるだけで、消費エネルギーが増えて代謝が高い体になるため、食事の量や内容を変えなくてもやせられるというわけだ。
「食事のリズムを変えることを1週間続けるだけで、目覚めがよくなった、朝食後に排便があった、朝イチから頭が冴えている、寝付きがよくなったなど、体調の変化を感じられる点もメリットです。『食事で体調ってこんなに変わるんだ』と実感できると、運動を始めてみたくなったり、その後のダイエットのモチベーションを保ちやすくなったりします」(小島さん)
そうはいっても、夜勤があったり、シフトが毎週変わったりする勤務形態の人もいる。食事の時間や配分を理想的な形に維持しにくい人はどうしたらいいのだろうか。
「そういう人の場合は、日勤の日や休日にしっかり時間を刻むことです。休みの日は昼まで寝ていないで、早起きして朝食を食べる。この2つのスイッチを入れると17時間後には眠くなるようにできています。夜は予定を入れず眠くなったら寝る。こうして一度体内時計をリセットすると2~3日はずれないといわれています」(小島さん)
お酒との付き合い方にも「コツ」あり
また、お酒を飲む習慣があると、生活リズムが乱れがちになりそうだが、これについてはどうだろう?
「毎日飲酒をする人は、本来の自分の最もいい状態を知らないことが多いです。そんな人が休肝日をつくると、『自分がいつもむくんでいたことが分かった』ということもよくあります。むくみは代謝と密接な関係があり、休肝日の翌日に体がスッキリしていることに気づくのです。一度、自分のベストコンディションを知ると休肝日が苦にならなくなるので、ぜひ試してみてください。休肝日は年齢を重ねるほど意識して増やす必要があります。なぜなら、加齢とともに私たちの調整力は落ちるからです」(小島さん)
お酒を飲む習慣を持ちつつ、若さや活力を保ちたければ、まずは休肝日を設けてみよう。
とはいっても、仕事上、酒を飲む機会は減らせないという人もいるだろう。「そういう人は、なるべく早く飲み始めて、夜9時には切り上げる。携帯のアラームをかけておくといいですよ。難しければ、せめて9時以降はつまみを食べない。それだけでも体への影響は違います」(小島さん)
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