【対策2】足の筋力トレーニングを行う
正しく歩くためには、前述した通り、足の筋力が十分についていなければならないが、筋肉は加齢とともに減少する。「20歳と80歳を比較すると、全身の筋肉は男性では29%、女性では24%減少します。ところが、足の筋肉に限定すると、男性は37%、女性は29%減少します(*2)。つまり、足の筋肉の減少は、他の部位より顕著だということです」(金さん)
まさに、「老いは足から」なのだ。
もしあなたが、すでに「すり足」気味になっていたり、片足5秒立ちができない場合は、筋力がかなり衰えてきていると考えていいだろう。そこまでではないが、自分の筋力が弱いか強いか知りたい人は、手の「握力」を測ってみるのも一策だ。実は、全身の筋力と握力は相関が高い。「握力が男性は26kg未満、女性は18kg未満だと、全身の筋力も弱いと考えられます。筋力が弱い人は特に、積極的に足の筋力トレーニングを行いましょう」(金さん)
仕事中や電車の中でもできる、簡単な筋トレを金さんに教えてもらった。毎日気づいたときに、無理のないペースでやってみよう。筋肉を意識して行うことで、効果が上がるそうだ。
■ 簡単な筋トレ体操(図3~図6参照)イラスト提供:花王
つま先上げ下げ
いすに座って両足を肩幅に広げ、かかとを軸につま先を上げたり下ろしたりする。「すり足」改善に効果。
鍛えられる場所 すねの筋肉
片ひざ上げ・胸寄せ
いすに座って片足を上げ、ももを胸に引き寄せる。足に力を入れず腹筋を意識。反対側も同様に行う。
鍛えられる場所 腸腰筋
片足上げ・ひざ伸ばし
ひざを立てた状態で床に座り、片足を上げて、つま先を手前に引いてひざを伸ばす。反対側も同様に行う。かかとを押し出すようにするとと効果的。
鍛えられる場所 太ももの前の筋肉
足の前後交差
両手で上体を支えながら、両足を同時に上げ、足を前後へ交互に動かす。
鍛えられる場所
腹筋、おしりの横の筋肉
太ももの筋肉を鍛えるには、家事をするときにひざを使うこともお勧めだという。「掃除機をかけるときや料理をするとき、棒立ちにならずにひざを少しゆるめる。こうするだけで太ももの筋肉が使われます」(金さん)
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