「ぐっすり睡眠」の鍵は実は朝食にあった
理想は味噌汁、ごはん、焼き魚がそろった和の朝食
西門和美=フリーライター
味噌汁やごはん、焼き魚などがそろった定番の和朝食をとる――。実はこれ、眠りの質を高めるための技術の一つである。そう教えてくれるのは、DeNAや吉野家など数々の企業に向けて睡眠のオーダーメードソリューションを提供する会社ニューロスペースの小林孝徳さん。「睡眠は、技術を身に付ければ上達させられます」と語る小林さんに、良質な睡眠を得るための食事の技術を教えてもらった。
夜の眠りに朝食が効く理由
「夜はぐっすりと眠って日中のパフォーマンスを上げたい。そう願うなら、朝食を見直してみることをおすすめします」と話すのは、企業の社員を対象に睡眠研修などを行うニューロスペースの小林孝徳さん。
眠れない人の中には「ひとまず就寝直前のコンディションを整えよう」と考える人も多いかもしれない。もちろんそれは大切だが、それだけでは良質な睡眠を継続的にとることは難しい。なぜなら、寝る直前の過ごし方だけではなく、食事や運動、入浴など1日のうちの様々な活動が生体リズムに作用し、睡眠に影響を与えているからだ。
食事と睡眠は、密接に関わり合っている。なかでも、一見すると睡眠とは関係なさそうに思える朝食が、実は快眠のカギとなる、と小林さんは言う。
良質な睡眠をとるには、睡眠をつかさどるホルモンである「メラトニン」をしっかりと分泌させることが必要だといわれる(メラトニンについては「ホルモンと体温、2つの生体リズムを味方につけて、ぐっすり快眠!」をご覧ください)。そして、バランスのよい朝食をとれば、約14~16時間後にはこのメラトニンが生成され、タイミングよく眠気が促されると考えられるのだ。