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「危険ないびき」を撃退しよう

メタボよりも怖い「危険ないびき」、放置すると寿命も縮まる

第2回 睡眠時無呼吸症候群の困った症状と合併症

 梅方久仁子=ライター

SASの合併症はメタボよりも裾野が広く、重大

 強い眠気や倦怠感といった症状はもちろん日常生活の上で問題となるが、SASでさらに恐ろしいのは、合併症だ。睡眠中の呼吸が十分でないために、血液中の酸素不足や二酸化炭素の増加によって、身体には様々な負担がかかっている。

 例えば、血液中に二酸化炭素がたまって血管が拡張するため、早朝に頭痛が起こることがある。また、低酸素状態を繰り返していると、心臓に大きな負担がかかるため、狭心症不整脈になり、突然死する可能性が高くなる。

 ずっと脳が覚醒しているために、本来夜間には活動が低下する交感神経が、ずっと緊張状態になる問題もある。交感神経が興奮し続けると、日中の活動期に出るホルモンが睡眠中にも出続けて、血圧が高くなる

 さらに怖いのは、交感神経のバランスが崩れると、インスリンが出ても血糖値が下がりにくくなる「インスリン抵抗性」が現れることだ。インスリン抵抗性は、糖尿病脂質異常症の原因になり、動脈硬化から虚血性の心疾患(心筋梗塞など)や脳血管障害(脳梗塞など)へとつながっていく。

SASの主な合併症
  • 頭痛
  • 狭心症、不整脈(⇒突然死)
  • 高血圧
  • インスリン抵抗性(⇒糖尿病、脂質異常症)

 「インスリン抵抗性が現れるのは、実はメタボリックシンドロームの最終段階と同じ状態です。メタボは、内臓脂肪の蓄積によってインスリン抵抗性が現れて、心臓病や脳血管障害へと発展していきます。これが大問題だということで、特定健診(いわゆるメタボ健診)で予防や早期発見に努めることになっていますが、SASでは、内臓脂肪がたまっていなくても、メタボと同様、インスリン抵抗性が現れるのです。しかも、SASでは低酸素状態によって、メタボ関連の合併症以外にもいろいろな合併症が加わってくるため、病気としてはより裾野が広く、重大ともいえます」(村田院長)。

 実際、睡眠時無呼吸症候群の患者が治療を受けずにいると、寿命が縮まるという研究結果もある(下図)。

図2 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者の生存率
無呼吸指数(AI;1時間当たりの無呼吸の回数)が20を超えているのに治療をしていないSASの人は、AIが20以下の人よりも寿命が短くなり、8年後の生存率は約63%になる。(He J, et al. Chest. 1988;94:9-14. 一部改変)
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