『心拍トレーニング』で運動強度を自分にベストマッチ!
適度なウォーク&ランなどでメタボ解消、筋力アップに効果
松尾直俊=フィットネスライター
胸や手首に装着する心拍計のデータを基に、最適な運動負荷を決める「心拍トレーニング」。かつては心拍数を測る専用機器の操作が難しく、設定にパソコンが必要だったが、機器の価格が手ごろになり、スマートフォンとの連携などによって操作性も向上。一般ユーザーにも身近なトレーニング法になってきた。本特集では、心拍トレーニングの方法、お勧めの製品・サービス、インターバル速歩とランニング、サイクリングでの実践ノウハウを紹介する。

社内健康診断で腹囲と体重のオーバー、そして体脂肪過多に高血圧気味と、メタボリックシンドローム傾向にあることを指摘された46歳の会社員、増井肇(仮名)さん。彼は学生時代にハンドボールの選手だったこともあり、体力には自信があった。そこで、メタボ解消にとジョギングを始めたのだった。
若い頃のキツイ練習を思い出し、毎日みっちりと走りこむことにしたが、すぐに息は切れるし、膝が痛くなって歩くのもつらくなってしまった。「やっぱり歳のせいで体力が落ちているのか…」、あえなく3週間で挫折。メタボ解消への想いは募るものの体型は変わらず。どうしたものかと悩んでいた時、学生時代の友人が心拍計を使って、運動負荷を適切にするためのトレーニング法を取り入れていることを知った。『運動負荷を最大心拍数の60~70%に抑え、普通の歩きと速歩を繰り返すインターバル速歩を続ければ、効率良く体脂肪を減らしていける』のだとか。
そこで増井さんはふと気がついた。「学生時代のように苦しくなければ効果がないと思い込んで、一所懸命、全力でやり過ぎていた」と。見れば、心拍計の価格もそれほど高くない。スマートフォンやパソコンのサイトと連動しての運動管理もできるのだとか。
さっそく購入してインターバル速歩を試してみると、ランニングほどのキツさはなく、どんどん歩ける! 併せて、ゆるい食事制限も行ったところ、3週間でウエスト4.5cm、体重は約4kgの減少! これが喜びとなって今ではすっかり運動習慣が復活し、心拍計を腕に巻いて、速歩だけでなくジョギングにも再挑戦し始めているのだという。
では、次ページから具体的に心拍トレーニングのメソッドを紹介していこう。