つらい“花粉症”には緑茶がいい!? 抗アレルギー作用を持つ注目のお茶とは
第5回 茶畑から生まれた機能性表示食品「べにふうき緑茶」――農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 山本(前田)万里さんに聞く
柳本操=ライター
熱湯で15分煮出すのがコツ。飛散前から飲むと効果的
べにふうきの茶葉も市販されていますね。茶葉を買った場合、普通に緑茶として飲めば効果が得られるのですか?
山本さん 注意していただきたい点は、熱湯でないとメチル化カテキンは抽出できないということです。私が実験した結果では、90℃以上、9~15分という抽出条件によってメチル化カテキンを十分な量、抽出できることが確認できています。
市販のティーバックの場合、熱湯を注いでから2分間、上下によく振ると効率よく抽出できます。自宅では茶葉をお茶パックに詰めて、やかんで30分かけてぐつぐつ煮出して、1日中こまめに飲んでいます。私もかつては花粉症で、眼の症状がつらかったのですが、今では「来たな」と感じるとすぐにべにふうき茶を飲みます。30分ほどすれば症状が止まるので、助かっています。
「毎年、花粉症の時期が憂鬱」という人に、効果的な飲み方があったら教えていただけますか。
山本さん 花粉が飛散する1カ月半前から飲んだ人と、花粉が飛び始めてから飲んだ人の比較も行いました。その結果、早めに飲むことによって症状はより効果的に抑えられました。

例年、スギ花粉が辛いという人は、クリスマス前後を目安に飲み始めるといいでしょう。ただ、べにふうき緑茶の難点は、苦みが強いために子どもには飲ませにくいことです。
そんなときは、牛乳と混ぜると苦みが和らぎます。メチル化カテキンは、通常のカテキンとは異なる形であるため、牛乳といっしょに飲んでも体内への吸収率は下がりません。お茶として抽出してから牛乳と混ぜて“ラテ”にして飲むと、子どもでも飲みやすくなります。
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