緑茶習慣で「血液サラサラ」! 「認知症予防」にも
第3回 エビデンスが続々! 飲んでも食べても効く緑茶――栗原クリニック東京・日本橋院長 栗原毅さんに聞く(前編)
柳本操=ライター

栗原さん なかでもお茶は、食品と健康、という視点で考えたときに基本中の基本となるとても重要な存在です。手に入りやすく毎日の習慣にしやすいものとして一番最初に持ってきています。
そもそも、お茶は昔から薬として扱われてきたものです。鎌倉時代には禅僧の栄西が『喫茶養生記』の冒頭で『茶は養生の仙薬なり。延齢の妙術なり』、つまりお茶が長寿のための優れた食品であると述べています。
今こそ日本人は、こんなにも長い期間、飲まれ続けてきたお茶に目を向けるべきです。
緑茶摂取が多いほど、がんリスクが下がる
昨年の国立がん研究センターによる発表では、長期にわたる疫学研究によって「緑茶を飲む量が多くなるほど死亡率が下がる」という研究結果が明らかになりました(1回目はこちら)。
栗原さん そうなんです。特に近年、がんに関しては以下のように続々と説得力のある国内の研究報告が積み上がってきています。まさに緑茶パワーにスポットが当てられるようになったのが今なのです。
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<緑茶の健康効果に関わる最近の研究例>
- 緑茶を1日5杯以上飲む男性は、1日に1杯未満の男性に比べて進行性の前立腺がんリスクが約50%低い(Am J Epidemiol.;167,71-77.2008 )
- 緑茶を1日5杯以上飲む女性は、1日に1杯未満の女性に比べて胃がん発症リスクが21%低い(Gut.;58,1323-1332.2009)
- 緑茶を1日10杯以上飲む人は、3杯未満の人に比べてすべてのがんに対してリスクが約2分の1に減少。がんにかかった人の診断時年齢を比較すると、がん発生が女性では7.3年、男性では3.2年遅延する(J Cancer Prev.;20,1-4.2015)
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- 静岡県はがん死亡率が低く、健康寿命が長い