お茶は「ストレス」「不眠」にも効果あり! 緑茶パワーをフルに活かす“いれ方”とは?
第2回 今、注目の健康成分 「テアニン」の効果 ~大妻女子大学名誉教授 大森正司さんに聞く(後編)
柳本操=ライター
緑茶でカフェインの摂り過ぎは気にしなくていい?
緑茶にはカフェインが含まれています。カフェインというと「飲み過ぎると悪影響があるのでは」と少し気になります。飲み過ぎを心配する必要はないのでしょうか?
大森さん 煎茶の場合、100g当たりのカフェインの量は20mg程度で、コーヒーの3分の1程度です。湯飲み1杯80ccとすると、そこに含まれるカフェインは16mg程度となります。欧州食品安全機関(EFSA)が2015年に発表したカフェインの安全性に関する科学的意見書では、1日の上限量を400mgとしていますから、25杯以上飲まないと飲み過ぎにはならないのです。もちろんカフェインの摂取量には気を付けた方がいいのですが、一般的な飲み方なら心配する必要はないでしょう。
気を付けた方がいいのは、カフェインの影響が心配される妊婦さんの場合です。妊婦の場合は1日あたりの許容量は200mg以下とされています。これを80ccの湯飲みで換算すると、12杯程度までなら許容範囲なわけで、日常でお茶を飲む量でオーバーすることはないと考えます。通常飲む量であれば安心して、お茶を飲んでいただけます。

ただし、実は玉露には多くのカフェインが含まれています。100g当たり、160mgとコーヒーより多くのカフェインを含んでいます。高価な玉露をガブ飲みすることはないと思いますが、飲み過ぎには気を付けた方がいいでしょう。
温度を上げれば渋くなり、ぬるくすれば甘味が増す
大森先生は、大妻女子大学「お茶大学」の校長も務めていらっしゃいます。おいしいお茶のいれ方も教えていただけませんか。
大森さん おいしい緑茶のいれ方の基本は、「2~5gの茶葉に、お湯は100~150cc。湯温は40~80度、蒸らし時間は1~3分」です。これを基本に、好みで微調整していくといい。温度を上げれば苦味や渋みが増し、ぬるくいれれば甘味が増します。あまり緑茶を飲みつけていない人は、これら数値の一番低いところをとって、2gの茶葉に、多めのお湯150cc、温度は低めの40度、蒸らし時間は1分でまずは楽しんでみてください。
重要なのは水です。お湯は必ず一度沸騰させましょう。そして、沸騰させた後に、目的の温度まで冷まします。水は、硬水だと薄くなり、軟水だと濃く出るので、硬水の場合は浸出時間を長めにします。
- 次ページ
- お茶の味わいは後天的に学習されるもの