お茶は「ストレス」「不眠」にも効果あり! 緑茶パワーをフルに活かす“いれ方”とは?
第2回 今、注目の健康成分 「テアニン」の効果 ~大妻女子大学名誉教授 大森正司さんに聞く(後編)
柳本操=ライター
テアニンは玉露、抹茶に多い

なるほど、お茶を飲むとリラックスできることには、科学的な裏付けがあるのですね。テアニンは緑茶にどのくらい含まれているのですか。お茶の種類によっても違うのでしょうか。
大森さん テアニンは、一番茶で初期の若い芽に最も多く含まれています。玉露のように日光を遮断して栽培すると、アミノ酸からカテキンに変化するのを抑えられるので、茶葉にテアニンがたっぷり含まれたままになります。このため、新茶や玉露は、うまみ成分が多くなります。また、抹茶にもテアニンが多く含まれています。
低温で抽出すれば、テアニンのうまみが強く感じられる
大森さん 今日は、ここにテアニンがたっぷり抽出されているお茶を用意しました。飲んでみてください。
まったく苦みがなく、甘いですね!
大森さん これは、急須に茶葉を入れ、氷水を加えて10分抽出したものです。テアニンをしっかりとりたい場合は、“氷水出し茶”にすると、渋み成分であるカテキンが少ないために、テアニンによるうまみがより強く感じられます。お湯でいれるより、1.5倍ほどうまみが増すのです。氷水出し茶の場合は、お湯でいれたお茶と違ってカフェインはほんのわずかしか抽出されないので、夜寝る前でも安心して飲むことができます。一方、カテキンやカフェインが多く抽出された渋いお茶にしたい場合は、温度の高いお湯で抽出するといいわけです。