やっぱりすごかった! 緑茶の健康効果
第1回 ダイエットから腸活まで、 「カテキン」の隠された効果とは? ~大妻女子大学名誉教授 大森正司さんに聞く(前編)
柳本操=ライター
カテキンは“腸活”にも効果あり!
カテキンの健康効果は幅広いですね。ダイエットや、血圧、血糖値の抑制から、抗菌、抗ウイルス効果(インフルエンザ予防)にいたるまで、さまざまな効果があると言われています。そのパワーの秘密はどこにあるのでしょうか。
大森さん その秘密は、カテキンの二つの特徴によるものと考えられています。一つめは、吸着性の強さ。口に含めば虫歯菌にくっつき増殖を抑え、口臭を防ぎます。うがいをすればウイルスが持っている“とげ”に吸着し、ウイルスの体内への侵入を防ぐ。また、飲めば腸内に入って悪玉菌に付着してやっつけます。
えっ、カテキンは、今話題の腸内環境改善にも効果があるんですか?
大森さん そうです。1998年にわが国で行われた研究では、介護施設の高齢者15名に茶カテキン100mgを1日3回(1日分のカテキンは300mg、煎茶5~6杯に相当)、3週間摂取してもらったところ、腸の有用菌である乳酸菌やビフィズス菌が増加し、悪玉菌とされるクロストリジウムや大腸菌群は減少したのです。
腸内環境も、有用菌が増えやすい弱酸性環境に改善されました。胃十二指腸潰瘍の原因菌とされるヘリコバクター・ピロリや、腸管出血性大腸菌O157、耐性菌のMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の殺菌効果もあることが報告されています。コレステロールや脂肪の吸収を緩やかにするダイエット効果にも、この吸着性が関わっていると考えられています。
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- 緑茶は非常に優れた「抗酸化食品」