吉野家なのに肉がない!? 野菜たっぷりヘルシーメニューに潜む狙いとは
野菜の1日の必要量の半分を1杯の丼で! ケルセチンでさらにヘルシー
永浜敬子=ライター
「豆腐ぶっかけ飯」「麦とろ牛皿御膳」…健康メニューが続々
吉野家は、ベジ丼シリーズを発売した後も、健康メニューを次々と送り出している。健康商品第2弾として、昨年6月からは朝食メニュー「豆腐ぶっかけ飯~鯛だし味~」と「鶏そぼろ飯」がスタートした。豆腐ぶっかけ飯が423kcal、鶏そぼろ飯が431kcalといずれも低カロリーである(いずれも並盛のデータ)。
「豆腐ぶっかけ飯」は、軽く砕いた豆腐、鰹節にネギ、揚げ玉がトッピングされ、鯛からとっただし「鯛だし」がかかっている。鯛の旨みと風味がほんのり感じられる上品な味わいだ。牛丼の“つゆだく”よりやや多め、お茶漬けより少なめの鯛だしがかかった「豆腐ぶっかけ飯」は、さらさらと食べやすく、食欲の減少するこれからの季節の朝食におすすめだ。肉が使用されていないが、食べごたえもあり満足度が高い。
一方の「鶏そぼろ飯」は、ご飯の上に生姜が効いた甘辛い醤油ベースのタレで味付けた鶏そぼろと青ねぎが盛られている。全体的にあっさりと仕上げてあるので、軽く肉が食べたい朝のご飯としてはちょうどいいボリューム。いずれも味噌汁と玉子焼き1切れで、並盛り290円とヘルシーかつリーズナブル。
そして、健康商品第3弾として登場したのが「麦とろ牛皿御膳」「麦とろ鰻皿御膳」だ。前者のメインは牛皿と山芋を荒めにすりおろして青のりを振りかけた「とろろ」。ご飯には食物繊維が豊富な押し麦がブレンドされている。山芋はご存じの通り、滋養強壮や疲労回復に効果があると言われる健康食材。男性ホルモンの分泌を促す効果もあると言われている。オクラも、ネバネバ成分がコレステロールを抑えてくれるスグレモノ。便秘改善効果も期待できる。
大麦から摂れる水溶性食物繊維のβ-グルカンは、話題の“腸活”にも効く今注目の健康成分だ。β-グルカンには、食後の血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールを低下させたりといった、ビジネスパーソンに嬉しい数々の効用がある。「1日1食“大麦入りご飯”で、腸内環境改善、メタボ対策」の記事で触れているように、大麦を1食食べると、その次の食事での血糖値上昇や食欲を抑える効果もあることが明らかになっている。そんな大麦を外食で手軽に摂れるのはありがたい。とろろは塩と醤油で軽く味付けられているので、麦飯にとろろをかけてそのまま食べてもいい。もちろん牛皿の肉を載せて食べてもいい。プチプチとした麦めしは、噛む回数が増えるので、満腹感が感じられる。
健康成分が豊富なことはもちろん、カロリーも控えめだ。「麦とろ牛皿御膳のカロリーは658kcal(並盛)と、牛丼並盛より低くなっています。ここにはこだわりました」(鵜澤氏)。
この麦とろ牛皿御膳、昨年は7月から約2カ月限定で販売したところ、累計500万食を販売する大ヒット商品となった。今年は6月2日に発売を開始した。今年の販売終了時期はまだ未定だが、9月中旬くらいまで販売する予定だという。