“はなまるうどん”が健康、美容に熱心に取り組むワケ
食物繊維、カロリーオフ天ぷら、糖質0g麺、アスタキサンチン…加速する健康志向
永浜敬子=ライター
うどん1玉にレタス1個分の食物繊維
健康への取り組みは幅広く、健康メニューの開発に積極的に取り組むことを宣言した「はなまる健康宣言」まで打ち出している(こちらを参照)。はなまるは、“讃岐”生まれのさぬきうどんの店だが、本場香川にはない商品も展開、例えば、野菜がたっぷり摂れるサラダうどんは女性の支持を受け、大ヒット商品になっている。
2013年4月からはすべてのうどんの麺を、1玉にレタス1個分の食物繊維を含む「はなまる食物繊維麺」に変更した。
最近、血糖値を上げない食事法として野菜を最初に食べる「ベジ・ファースト」が注目されているが、これは最初に食物繊維を摂取し、その後に糖質の多いご飯や麺などを食べることで、糖質の急激な吸収を抑えるのが目的だ。
三橋氏は、「食物繊維を加えても、本格的なうどんの味や歯ごたえを損なわない麺を目指し、試行錯誤を繰り返し、5年の開発期間を経て完成させました」と話す。この食物繊維入りうどんは、特許出願中だそうだ。
さらに同年6月には油分を吸収しにくい米粉をブレンドしたオリジナルの天ぷら粉を開発。油分を47%カット(同社比)した「ヘルシーかき揚げ」を発売した。その後、2015年には、はなまるの天ぷらは、すべて米粉を使ったヘルシー天ぷらになった。油分は最大40%カットになるという。
はなまるうどんの利用層は、まだまだ男性の方が多く、全体では約7割が男性だという。これらの健康志向のメニュー改定は、女性客の獲得を意識したものだ。実際、はなまるは店舗の内装をカフェスタイルにして、女性が1人でも入りやすいようにしている。内装やメニュー改定を進めた結果、女性が1人で来店するケースは着実に増えたという。ちなみに、当初は女性を意識して投入したメニューも、実際の店頭では、「50~60代の男性が選ばれることも多い」(三橋氏)のだそうだ。