糖尿病のほとんどを占める2型糖尿病は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きが悪くなり、血糖値が異常に高くなってしまう病気。糖尿病と糖尿病の予備軍は全国で約2050万人と推定されている。この病気が恐ろしいのは、進行するまで自覚症状がなく、健康診断で異常値が出てもつい放置してしまうことだ。最近の研究で、3大合併症として知られる網膜症、神経障害と腎症に加え、心筋梗塞や脳卒中など死に直結する病気も糖尿病で明らかに増えることが分かってきた。こうした糖尿病の「甘くなさ」を最新データとともに解説するとともに、食事法やオーラルケアといった生活改善の有用性、さらには進歩が著しい糖尿病薬を医師がどう使い分けているかを紹介する。