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「即席ラーメン」の新たな挑戦

エースコック社長「体の半分は即席麺」でも健康。その秘けつは?

<特別編>危機を乗り越えてきた即席麺の歴史~エースコック 村岡寛社長インタビュー

 二村高史=フリーライター

1.5倍の「スーパーカップ」で危機を乗り越える

売り上げが伸び悩むという当時の危機に対して、エースコックとして何か独自の対策をとったのでしょうか。

村岡さん はい。そのことが、容量を1.5倍に増量したカップ麺、スーパーカップの発売のきっかけになったのです。これは、当時、即席麺の成長が止まったもう一つの理由に関係してきます。その理由とは、競争相手が増えたことでした。当時は、コンビニが発達して、おにぎりや弁当、菓子パンの品揃えも充実してきた時期にあたります。ファストフード店も増えてきました。

 こうした店で買う食べ物は、お湯をわかす手間すらかかりません。相対的に即席麺の魅力が落ちてしまったのです。

 この点への対応は、各メーカーで答えを出すべき問題でした。そこでエースコックが出した答えが、スーパーカップだったのです。これで当社のカップ麺は成長路線に戻ることができました。

 1.5倍の増量で、なぜ売り上げが伸びたのか、わかりにくいかもしれませんので、ちょっと詳しく説明しましょう。

 それまで、カップ麺の具材や麺の質は考えてきましたが、量について考えたことはほとんどありませんでした。

 しかし、私たちはこう考えたのです。当時のメインの購買層は食べ盛りの高校生であり、しかも日本人の体格が日に日に大きくなっている時代でしたから、食べる量も増加していくのは当然でしょう。ところが、カップ麺は相変わらず昔のままのサイズでした。

 そこで、高校生を対象にして当社が調査をしてみたところ、意外なことに「通常サイズで適量」だという答えが多数意見として返ってきました。しかし、この結果に納得がいかないという社員の声をもとに、1.5倍の量にしたカップ麺を食べてもらったところ、やはり「適量」が多数を占めるではありませんか。これには、戸惑いました。

 もう一度、今度は順番を変えて、1.5倍を食べてもらってからもとの量を食べて意見を聞いたところ、ようやく「通常サイズでは少ない」という答えが返ってきたのです。

 私たちは、これこそが彼らの本音であると判断してスーパーカップを発売したところ、カップ麺全体の売り上げが元に戻ったのです。それ以後は、大きな落ち込みはありません。

 もちろん、このときは私たちだけでなく、ほかのメーカーもそれぞれ独自の工夫をして苦境を乗り切りました。これが、即席麺業界の大きな特徴といってよいでしょう。あるメーカーが新しいことを行うと、ほかのメーカーはそのまま真似をするのではなく、負けじと別の方向から魅力づくりに励むのです

 業界全体に関わる問題については、さきほどのように一体となった活動をしますが、個々の問題について常に一体で行動するのでは業界全体の活力が失われてしまいます。その点、この業界はお互いが切磋琢磨しているのは意味があることだと思います。

 そうした意気込みと向上心こそが、人口減少、高齢化にもかかわらず、即席麺業界のマーケットが維持できている大きな理由だと私は思っています

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