これでスープを飲み干せる!「ストレスのない減塩」を実現した技術とは?
第4回 エースコック「だしの旨みで減塩」、東洋水産「マルちゃん ホットヌードル 塩分オフ」
二村高史=フリーライター
5年前から減塩に取り組む
健康志向と一口に言ってもアプローチはいろいろありますが。東洋水産が減塩を中心の一つに据えた理由はどこにあるのでしょう。
鈴木さん 当社では、早い段階から健康志向の即席めんに取り組んでいました。2011年9月には減塩商品である「マルちゃん 大人のこだわり」の「華やかうどん」「だし香るそば」を発売しましたが、残念ながらそれほど話題になりませんでした。


2012年9月には、ミドル世代を意識した野菜たっぷりのカップ麺「大人のこだわり 野菜たっぷり」シリーズを発売。現在は、「五目中華そば」「熟成味噌ラーメン ピり辛」「鶏白湯ラーメン」の3種類がラインナップされています。健康というと「野菜を多くとりたい」というイメージがあるため、その声に応えて、生野菜換算で野菜を約120g以上使用した商品です。1日に必要な野菜は、生野菜換算で350gといわれていますので、その3分の1がカップ麺でとれる計算になります。
うどんやそばではなく、ラーメンの減塩商品も以前から望まれていました。日本即席食品工業協会の「即席めんの摂取・購入状況および意識調査 WEB調査報告書」によると、「カップめんについて気になること」という質問に対して、カロリー、添加物などをおいて、塩分という答えが長年にわたって1位を占めているのです。当社のお客様相談室にも、塩分の量についてのお問い合わせが数多く寄せられてきました。
生活習慣病の中でも、高血圧を気になさっている方は多くいらっしゃいます。お客様が求めているのは減塩だと判断したのです。実際に、塩分オフのシリーズをお求めになっている年代層の中心は、40~60代です。カップ麺とともに育った世代ですので、今でもカップ麺を食べる頻度が高いため、塩分をとりすぎないように配慮しているのでしょう。