“こってり”なのに健康志向! メタボ社員が作った「ローカーボ」カップ麺
第3回 明星食品「低糖質麺シリーズ はじめ屋」「ローカーボNoodles」
二村高史=フリーライター
日本が生んだ世界的な発明品「即席ラーメン」。多くの人に親しまれている大ヒット商品に今、「健康志向」という新しい波が起きている。この特集では各社の“健康志向”への取り組みを紹介していく(前回はこちら)。
今回登場するのは、定番商品の「チャルメラ」をはじめ、焼きそばの「一平ちゃん」などで知られる明星食品。他社が減塩、低カロリー、ノンオイルなどを打ち出すなか、同社は低糖質(ローカーボ)麺で新たな健康志向を訴求する。その狙いや開発秘話を、マーケティング部 第一グループ ブランドマネージャーの八木義之さんと、同グループ 課長の新田真一さんにお話をうかがった。
ダイエットや糖尿病の対策などとして、今、ローカーボが注目されています。実際、低糖質をうたった食品や外食メニューが続々と登場しています。そして昨年、明星食品からローカーボのカップラーメンが登場しました。意外だったのですが、明星食品が健康志向のラーメンに本格的に取り組んだのは、このローカーボカップラーメンからなのですね。
八木さん:以前にも、麺にカルシウムを練り込むということはやっていましたが、明らかに健康をコンセプトにした商品は、2015年5月に発売した糖質50%オフの「低糖質麺 はじめ屋」(以下「はじめ屋」)が最初です。どんぶり型カップ麺で、現在は「こってり醤油豚骨味」と「こってり鶏白湯味」の2種類があります。
健康志向の商品は、他社が過去にトライしていたものの、なかなか市場が大きくならないという現実がありました。とはいえ、高齢化が進むなど日本の現状を考えると、今後は健康志向の商品を外して考えるわけにはいきません。そこで、満を持して発売したのが、この低糖質麺シリーズです。
同年11月には、「はじめ屋」の1回目のリニューアルに合わせて、ヌードルタイプの「低糖質麺 ローカーボNoodles」(以下「ローカーボNoodles」)の2商品「コンソメ味」と「塩バジル味」の販売も開始しました。その後も、「はじめ屋」「ローカーボNoodles」とも2016年3月にリニューアルしています。
