“こってり”なのに健康志向! メタボ社員が作った「ローカーボ」カップ麺
第3回 明星食品「低糖質麺シリーズ はじめ屋」「ローカーボNoodles」
二村高史=フリーライター
1日の食物繊維の目標量の大半を1食で摂取できる
新田さん 一方、試作品は分析センターにサンプルを提出して、糖質がどれだけオフになっているのか数値を確認しなければなりません。たとえ、おいしくても、糖質が20~30%オフでは意味がありません。
口でいうと簡単ですが、これらをすべて考えながら試作していくのは大変な作業です。2014年7月に開発に着手して以来、100種類以上の試作を繰り返し、納得の行くものになるまでには、約10カ月かかりました。
現在の商品では、食物繊維の含有量は「はじめ屋」の2商品が19.1gと16.6g、「ローカーボNoodles」の2商品が17.4gと18.0gです。厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準」(2015年版)によれば、食物繊維の目標量は、18~69歳で1日あたり男性20g以上、女性18g以上とされていますので、1食とれば1日の目標量の大半を摂取できる計算になります。
八木さん 原料の配合のほか、工場での条件や工程も重要です。例えば、麺をこねる作業、麺の切り出し、乾燥の技術などもコントロールして、最適なものを追求していきました。実験室レベルで作れても、工場で量産するとなると話はまた違ってくるからです。
スープの味は“しっかり”、濃厚なスープに

スープについても教えてください。商品パッケージに大きく「こってり」と書いてありますね。健康志向のカップ麺なのに「こってり」とうたっているのは、珍しいのではないでしょうか。消費者としては「おやっ!」と思います。
新田さん 健康志向のカップ麺は「薄味でおいしくない」という先入観を持っている方が多いと思ったので、「はじめ屋」はそれを払拭するような濃厚なスープにしたのです。こってりとした味わいに欠かせない油分も含んでいます。
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