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「即席ラーメン」の新たな挑戦

極限まで油を減らした“常識外”の「サッポロ一番」開発秘話

第2回 サンヨー食品 「サッポロ一番 グリーンプレミアム0」

 二村高史=フリーライター

油を抜いたらラーメンのスープではなくなる!

「サッポロ一番 グリーンプレミアム0」のパッケージの一部。スープに焼きあごや地鶏のダシなどを使い、油分は一切使っていない
「サッポロ一番 グリーンプレミアム0」のパッケージの一部。スープに焼きあごや地鶏のダシなどを使い、油分は一切使っていない
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ただ健康にいいというだけでなく、おいしくするためにどんな苦労がありましたか。

本郷さん 開発の前提として、スープはノンオイルと決めていました。油を含まなければ、当然コレステロールもゼロ。こうして、ノンオイルスープ、ノンフライ麺、コレステロールゼロが、この商品のコンセプトとして据えられました。

 ただし、ノンフライ麺はすでにあったものの、ノンオイルスープは未知の世界です。ですから、ノンオイルでおいしいスープを開発するのは大変でした。原料をすべて見直さなければならず、原料メーカーにも協力をしてもらい、試行錯誤しました。

 もちろん、「試しに油を抜いてみた」というスープならすぐに作れますが、おいしくありません。油は、香りやうまみを感じさせるとても大切な要素です。油がうまみ成分のアミノ酸や塩分と反応してラーメンらしいおいしさが出てくるわけです。

 その油が抜けてしまったら、ラーメンのスープには感じられません。まるで、そばつゆのようになってしまい、かけそばにラーメンの麺が入っているような状態になるのです。

 では、油がなくてもラーメンスープのコクを出すにはどうすればよいか、いろいろと頭をひねった結果、“だし”で解決しようという結論に達しました。ただし、1種類のだしだけでは味の深みや広がりが出ません。何種類ものだしを使い、その複数のだしが口のなかに順に広がってくることで、単調にならない「広がり感」を出すことに成功したのです。

 口で言うのは簡単ですが、醤油ラーメン、海鮮ラーメン、野菜だしラーメンとも、満足のいくものになるまで、それぞれ1年かかりました。

入っているのは小麦粉に含まれているわずかな脂質だけ

「サッポロ一番 グリーンプレミアム0」のノンフライ麺。このために専用の製造ラインを新設した
「サッポロ一番 グリーンプレミアム0」のノンフライ麺。このために専用の製造ラインを新設した
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めんの開発に時間がかかったとお聞きましたが、一般的なノンフライ麺ではないのですか?

本郷さん 「グリーンプレミアム」の麺は、小麦粉と食塩を原料にしており、油は使っていません。これが高いハードルでした。「油を使わないノンフライ麺がすでに存在するだろう」と思われるかもしれませんが、話はそう簡単ではないのです。

 ノンフライ麺というのは、実は油で揚げていないだけで、油を使用していないという意味ではありません。ノンフライ麺であっても、製麺の過程で麺がからまないように植物油脂を使っているのです。スパゲティにオリーブオイルをかけるとからみにくくなることをご存じの方もいらっしゃると思いますが、それと同じ理屈です。

 「スープをオイルフリーにするのに、製麺の過程で麺に油を加えるのはおかしいのではないか」という意見も出て、これもカットすることにしました。ただし、原料の小麦粉にもともと含まれるごくわずかな脂質は、現在の技術ではカットできませんので、そのわずかな脂質が商品に含まれています。こういった理由から、商品パッケージに「ノンオイル」と表記せずに、「ノンオイルスープ」と表記していますが、油分は大幅に少なくなっています。

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