ロカボ、オイルフリー、減塩――大ヒット商品「即席ラーメン」に巻き起こる新たな波
第1回 「体にいいけどおいしくない」を覆せ!―― 食品メーカーの挑戦
二村高史=フリーライター
これまでも各社が挑戦してきたが…
「折からの健康ブームとあいまって、健康志向の即席ラーメンの売り上げは大きく伸びているに違いない」──そう思う方も少なくないと思う。だが、現実はそう簡単ではない。
「これまでも健康系の即席ラーメンを開発、販売してきましたが、市場にほとんど受け入れられませんでした。商品の中には、発売したものの、短期間で店頭から消えた商品も少なくありません」――あるメーカーの商品開発者はこう話す。

実は健康志向の即席ラーメンは、各社が以前から商品開発を進めてきた分野だ。高齢化社会の進行とともに、健康志向が高まるだろうということは、各社とも当然想定済み。そこを狙った商品を開発してきたが、あまり消費が伸びなかったというのが実情だ。
例えば、業界トップの日清食品の取り組みは早く、何と20年近く前の1997年からトクホ(特定保健用食品)のカップラーメンである「サイリウムヌードル」シリーズを販売している。これはサイリウムという植物由来の食物繊維を含むカップ麺で、おなかの調子を整える効果がある。カロリーは約160kcalと通常のカップヌードルの半分で、塩分も3~4割もカットしている。根強いファンがいるため20年近く継続販売しているが、現在の販路は通販が中心となっている。
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- ようやく花開きつつある健康志向の商品
